平成29年度 立川 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 602 207 331 564 760 812 1315 1870 1454 242
 当院の患者さんを年齢別でみると、大きな特徴として9歳以下の患者さんが多いということです。小児患者、特に新生児における近隣病院シェアで最も多くのシェアとなっています。また、女性疾患や周産期の治療でも地域シェアトップとなっているため、出産時における母体の管理から新生児の処置まで関係診療科が連携し、一貫した治療を行っています。
 全体では60歳代以降の患者さんが59.8%で約6割を占めており、高齢化社会の中で地域の中核病院としての役割を担っています。患者さんにとって最善の治療を各診療科が連携しながら、手術や化学療法・救急など様々な高度医療を患者さんに提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 87 16.76 16.48 0% 72.80
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 78 22.38 17.71 7.69% 81.31
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 51 18.27 19.65 5.88% 71.82
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 49 4.12 3.03 0% 69.49
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 45 11.38 11.99 0% 72.13
 内科で最も症例数が多いのは、非ホジキンリンパ腫に対し化学療法を行った症例です。北多摩西部の医療圏で多くのシェアを占めております。平均在院日数は重症患者も多いことから16.76日と全国平均よりやや長い在院日数となっておりますが、計画的な化学療法で入院される患者さんも多く、約半数は全国の平均在院日数よりも短い期間で退院されます。
 2番目に症例数が多いのは心不全です。当院では緊急の循環器疾患にも幅広く対応しており、循環器の内科医が6名在籍しています。
 3番目に症例数が多いのは間質性肺炎です。平均在院日数は全国平均より短くなっています。(平成28年度で比較:全国平均在院日数19.92日)
 4番目に症例数が多いのは狭心症に対するカテーテル検査入院です。入院から退院までの流れが標準化されていることから、安心して入院できる環境にあります。
 5番目に症例数が多いのは肺がんの化学療法です。当院はがん治療に力を入れており、手術だけでなく化学療法や緩和治療など幅広く対応しております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 107 5.36 5.94 0.93% 0.79
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 72 7.74 6.18 2.78% 0
100380xxxxxxxx 体液量減少症 72 4.33 9.16 0% 3.72
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 6.26 6.32 0% 3.55
030270xxxxxxxx 上気道炎 28 2.39 4.84 0% 2.75
 小児科では、脱水や気管支炎・肺炎、腸炎など様々な疾患に対し、幅広く診療を行っています。
最も多い症例は気管支炎に対する治療で、症例数は107件、平均在院日数は5.3日で抗生剤を用いた治療がメインとなっており、細菌や炎症を抑える事を目的としています。
 2番目に多い症例は新生児に対する治療で、症例数は72件、平均在院日数は7.7日となっています。
生後間もない新生児は、黄疸や呼吸障害、脱水、嘔吐など様々な症状が出やすいため、症状に応じ幅広い治療を行っています。
 同率で多い体液量減少症は「脱水症」のことで、症例数は72件、平均在院日数は4.3日です。小児は嘔吐や下痢・摂食不良などで脱水状態になりやすいため、脱水に対する治療も多く行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 56 6.29 7.40 0% 63.05
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 55 19.29 12.35 1.82% 68.56
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2 なし 39 10.00 10.15 0% 65.59
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 15.14 15.61 2.70% 73.05
050180xx97xxxx 静脈・リンパ管疾患 その他の手術あり 31 2.58 3.20 0% 65.26
外科で最も多い症例の一つは胆嚢炎や胆嚢結石に対する治療で、件数は56件です。ほぼ全例で腹腔鏡下で摘出術を行っています。転院率は0%であり、特に重篤な合併症もなく、一週間ほどで退院となっています。
 2番目に多い症例は肺がんの手術治療で、件数は55件です。平均在院日数がやや長めですが、ご高齢の患者さんに対して手術リスク軽減のために呼吸器リハビリテーションを念入りに行っていることが理由です。
 3番目に多い症例は、乳癌に対する切除術です。単純切除術だけでなく、温存手術や再建術なども行っています。症例数は、平成28年度は23件だったところ、平成29年度は約1.7倍の39件となりました。平均在院日数も平成28年度の12.4日から約2日間短縮しています。
 4番目に多い症例は、大腸がんに対して切除術を行う症例です。現在多くの症例で腹腔鏡による手術を行っており、症例数は平成28年度に比べて約10件増加し、37件となっています。
 5番目に多い症例は、下肢静脈瘤に対する治療です。当院ではレーザーやラジオ波による血管内焼灼術や、硬化療法を用いた低侵襲な治療を行っています。手術は1泊2日で行うため、平均在院日数が短くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 85 33.27 27.09 45.88% 83.27
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 75 3.41 5.08 1.33% 52.80
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 60 6.12 11.41 0% 42.32
070085xx97xxxx 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外) 手術あり 49 13.08 13.94 0% 55.22
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼 手術あり 定義副傷病 なし 39 2.13 4.17 0% 35.08
 整形外科の症例で最も多いのは大腿骨近位端(股関節)の骨折手術です。症例数は85件で当院整形外科では最も多い症例となっています。平均在院日数は33.2日となっていますが、重症度や術後の経過等で入院日数は異なります。医師による手術のほか、理学療法士によるリハビリ治療を行い、患者さんをサポートしています。
 2番目に多い症例は、上腕や大腿、背部など皮膚皮下の軟部腫瘍の手術であり、症例数は75件で全患者の平均在院日数は3.4日となっています。
 3番目に多い症例は半月板の損傷や十字靭帯の損傷・断裂に対する手術で症例数は60件、平均在院日数は6.1日となっています。半月板損傷の場合は半月板の一部切除や縫合術を行います。十字靭帯損傷・断裂の場合は自分の腱や筋膜、人工靭帯等を用いて靭帯の再建や形成を行います。  現在整形外科には9名の常勤医師がおり、軟部腫瘍や上腕、脊椎・脊髄疾患、股・膝関節や足部の疾患、ケガ・外傷、リウマチや癌の骨転移など、幅広い専門分野で多くの患者さんの治療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし - - 3.29 - -
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 15.25 - -
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.32 - -
080220xx97xxxx エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害 手術あり - - 6.87 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし - - 8.50 - -
 形成外科で最も多い症例は眼瞼下垂の手術や腋臭症の手術です。
その他にも、乳房の再建手術や顔面外傷など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしております。
 平成29年度は8月~12月の間、常勤医不在の影響により症例件数、手術件数ともに例年の半数以下の件数となっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030390xx970xxx 顔面神経障害 手術あり 手術・処置等1 なし - - 10.92 - -
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 19.10 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 3、4又は5 - - 20.20 - -
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 11.75 - -
010010xx97x00x 脳腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 18.66 - -
脳血管障害には、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、という頻度で発症率が高くなりますが、重症度の順では、クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞とおおざっぱに言えます。
 クモ膜下出血の原因は脳動脈瘤の破裂がほとんどで、脳動脈瘤クリッピング術を行います。脳出血の量が少量の場合は手術を行いませんが、出血の量が多い場合には、神経内視鏡とナビゲーションシステムを使用して緊急手術で血腫を取り除きます。脳梗塞の緊急手術はめったにありませんが、頸動脈プラークからの血栓が塞栓源になる場合には、頸動脈内膜剥離術を緊急で行います。新病院開設にともない、救急部も活動を開始し、脳神経外科もそれに対応し、救急の処置や手術を行います。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 95 4.76 4.98 0% 63.67
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 75 10.55 9.91 0% 46.40
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 74 6.89 6.37 0% 39.15
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 68 9.87 9.75 0% 34.84
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 56 7.18 6.28 0% 42.55
 産婦人科では、主に子宮や子宮付属器の腫瘍に対する治療や、お産を行っています。産婦人科を総合して最も多い症例は、子宮頸・体部の悪性腫瘍に対する化学療法です。子宮や子宮付属器の良性・悪性腫瘍に対する治療は北多摩西部二次医療圏内で最も多く行っており、80%以上のシェアを占めております。
 2番目に多い症例は、子宮筋腫の手術目的での入院です。良性の腫瘍では腹腔鏡手術も多く行っており、腹腔鏡下手術は患者さんの体への負担が少ないだけでなく、術後の傷が小さかったり早期の社会復帰が見込めます。
 3番目に多い症例は、卵巣の良性腫瘍に対する腹腔鏡を用いた治療です。
 4番目は骨盤位や既往帝王切開後の妊娠などの「胎児及び胎児付属物の異常」です。早産・切迫早産の症例では母体管理のための入院加療を行い、骨盤位の症例では帝王切開術を行っています。また、当院にはNICUも併設されており、小児科医と連携を取りながら診療を行っています。
 5番目に多い症例は子宮の良性腫瘍に対する腹腔鏡での治療です。
 保険診療にあたるDPCが対象のため上記リストにはありませんが、自費診療となる自然分娩も多く受け入れております。平均年齢は、表のように30代~60代と幅広い年齢の患者さんを受け入れており、地域の産婦人科における中核病院としての役割を担っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 16 8.25 10.21 0% 64.25
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼 13 7.92 7.96 0% 58.46
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 13 6.23 7.31 0% 67.23
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 15.25 - -
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 - - 8.51 - -
 眼科は、ほとんどが手術のための入院となります。  DPC包括支払方式での入院において最も多い症例は、網膜剥離に対する治療です。主な手術として、眼外からの網膜復位術や硝子体手術を行います。年齢別では30代~80代となっており、平均して64.2歳となります。
 次いで多いは糖尿病性網膜症に対する治療です。症例数は13件、平均在院日数は7.9日となっています。
 3番目に多い症例は網膜前膜・黄斑円孔に対する手術です。網膜の表面に薄い膜が張る網膜前膜は、進行するにつれ、モノが歪んで見えて視力が低下する病気です。また、黄斑円孔は、網膜の中心の黄斑という部分に小さな穴が開いてしまう病気です。いずれの場合も眼内に手術器具を挿入する硝子体手術で治療します。  これらの疾患は、放置することで失明に至ったり、視力低下が固定してしまったりする危険性がある重篤な疾患であるため、手術による治療を必要とします。  なお、当院の眼科の入院で最も症例数が多いのは白内障ですが、平成29年度はDPC包括支払方式ではないため本集計表には含まれていません。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 69 5.28 5.48 0% 41.41
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 48 7.77 7.58 0% 56.85
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 45 10.40 8.01 0% 28.84
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 42 7.31 7.23 0% 55.33
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 39 6.18 7.22 0% 34.64
 耳鼻咽喉科の症例で最も多いのは、急性扁桃炎や急性喉頭蓋炎に対する治療であり、症例数は69件となります。急性扁桃炎・急性喉頭蓋炎ともに抗生剤の投与が主な治療となり、平均在院日数は5.2日となります。
 2番目に多い疾患は、耳下腺や喉頭・咽頭、鼻腔の腫瘍に対する手術治療です。症例数は48件。平均在院日数は7.7日です。耳下腺腫瘍手術は耳下腺部分を切開し腫瘍を摘出します。
 3番目に多い疾患は慢性扁桃炎に対しての治療で症例数は45件、平均在院日数は10.4日で、口蓋扁桃摘出手術を行っています。
当院の耳鼻咽喉科では多様な疾患を扱っており、適応があれば手術治療も実施しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 42 7.55 8.95 0% 67.67
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 32 10.69 11.73 0% 69.16
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 31 4.42 8.50 0% 76.16
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 22 2.36 4.14 0% 58.14
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 15 3.00 6.45 0% 55.53
 皮膚科の疾患で最も多いのは、帯状疱疹で症例数は42件です。帯状疱疹の主な治療は、抗ウイルス剤の全身投与で、発症後できるだけ早期に開始することが重要です。頭部発症例や疼痛が強い場合、高齢者や合併症のある方など重症な場合は、入院の上1週間の抗ウイルス剤の点滴をお勧めしています。平均在院日数は7.55日となっています。
 2番目に多いのは急性膿皮症で、下肢の蜂窩織炎が最も多くを占め、症例数は32件です。抗生剤の点滴が主たる治療で、平均在院日数は10.69日です。通常は1週間ほどの入院ですが、膿瘍や潰瘍を伴う場合は長期化することがあり、また当院では合併症を有する高齢者の患者さんが多く、入院期間がやや長い傾向にあります。  3番目に多いのは、皮膚の悪性腫瘍(皮膚がん)の切除術です。症例数は31件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさ、再建術(皮弁形成や植皮)の有無により様々ですが、平均4.42日となっています。   4、5番目は概ね皮膚の良性腫瘍の切除術ですが、術前診断が困難な場合は、5番目のその他の新生物として分類されます。脂肪腫や粉瘤、色素性母斑などが含まれ、大型のもの、頭部や足底発症例など出血のリスクが高い場合、術後の安静を要する場合には短期入院手術を勧めています。
 現在、皮膚科常勤医は4名で、三多摩地域で多くの紹介患者さんを受け入れており、外来・入院・手術を含めた診療に当たっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 54 6.89 7.31 1.85% 73.83
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 47 6.28 5.75 2.13% 59.98
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 14 7.50 9.73 0% 72.79
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術あり 定義副傷病 なし 12 5.92 5.17 8.33% 59.50
11013xxx06xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 10 6.80 5.74 0% 76.60
泌尿器科で最も多い症例は膀胱がんに対する手術で、件数は54件です。平成28年度は32件だったため、約1.7倍になりました。また、平均在院日数は6.9日となっています。
 2番目に多い症例は尿管結石に対する手術です。症例数は47件であり、平均在院日数は6.3日となっています。3番目に多い症例は前立腺肥大に対する手術です。水腎症などの治療も多く行っております。
 尿路結石、膀胱がんに対する手術や、前立腺肥大に対する手術など、当院では尿道から内視鏡を入れて行う経尿道的手術を多く行っています。
 近隣地域シェアについても大きな割合を占めており、多くの患者さんの治療を行っております。泌尿器科の医師は現在3名おり、膀胱や腎・尿路腫瘍、前立腺疾患や尿管結石など幅広い疾患に対応した治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 27 14 11 12 - 13 1 7,6
大腸癌 38 26 23 22 - 46 1 7,6
乳癌 18 27 13 15 - 26 1 7
肺癌 43 - 29 52 - 107 1 7,6
肝癌 - - - - 11 25 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、5大がんと言われる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝臓がんに対し、それぞれ専門の医師が治療に当たります。また、各診療科が連携して治療にあたり、転移や合併症にも対応できる環境が整っております。
■胃がん
  胃がんはステージごとの割合ではⅠ期の割合が高くなっています。早期がんでは内視鏡手術や腹腔鏡手術といった患者さんに負担の少ない治療を行っております。またⅢ期、Ⅳ期の症例にも対応しており、患者さんと十分に治療法の選択についてお話をしたうえで、手術や化学療法などの治療を行っております。
■大腸がん
  大腸がんは、早期がんから進行がんまで幅広く対応しています。治療は腹腔鏡手術を積極的に取り入れております。腹腔鏡手術の適応とならないような局所進行がんには開腹手術を行います。ステージに応じて補助化学療法、全身化学療法を行います。
■乳がん
  乳がんは、積極的な検診や健診が普及していることもあり、早期がん(0期+Ⅰ期)の割合が増えています。治療は手術や化学療法など幅広く対応しています。
■肺がん 
 呼吸器内科、呼吸器外科、放射線診療・治療科の緊密な連携のもとに、早期から進行がんまで幅広く対応しています。
  原則として、0~ⅡおよびⅢ期の一部は手術療法、それ以外の場合は薬物療法と放射線治療が主体となりますが、患者様の年齢や身体状況、ご希望に応じて臨機応変に対応します。肺がんは再発しやすいため再発患者様も多くなっていますが、近年の肺がん治療の進歩は目覚ましく、適切な治療を適用することで良好な生活を維持しながら治療を続けている患者さんも数多くいらっしゃいます。
ステージが不明となっている症例もありますが、これは大半が入院中に検査結果が出なかった症例です。  
■肝臓がん
  肝臓がんは早期がんから進行がんまで幅広く診療に対応しています。消化器内科、消化器外科、放射線科が連携し、手術、ラジオ波焼灼治療、カテーテル化学塞栓療法、放射線治療、分子標的治療など、がんの進行度に応じて、個々の患者さんに最適な治療を行っています。併存していることが多い肝疾患の治療を受ける環境も整っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 21 9.48 51.90
中等症 109 15.95 80.11
重症 39 21.13 84.95
超重症 - - -
不明 - - -
症例数では中等症が最も多く、全体の6割以上を占めています。
 軽症例の平均在院日数が最も短く、平均年齢も低くなっています。軽症では20代の若い患者さんも多く、比較的短い入院期間で退院しています。
 最も平均在院日数が長いのは重症例ですが、年齢や合併症等により入院期間にばらつきがあり、実際にはその6割は20日以内に退院しています。
 また、超重症や重症の肺炎にも対応しており、合併症を含めた集学的な治療を行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 42 30.24 75.88 15.00%
その他 18 34.06 75.72 5.00%
 当院では脳梗塞は基本的に神経内科に入院となります。そのほとんどが発症から3日以内に来院されており、全体の約7割となっています。
 急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は約75歳であり、後期高齢者の方がほとんどです。リハビリテーションを含めた治療を行います。また、継続してリハビリテーションを行うためにリハビリテーションを専門とする病院へ転院することもあります。
 発症から時間が経ってから来院される患者さんの場合、早期の治療が行えないため、発症から3日以内に来院した患者さんに比べ治療に時間がかかることから平均在院日数は長くなります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 96 2.54 4.48 2.08% 71.34
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 40 2.20 4.13 0% 71.13
K610-3 内シャント設置術 28 8.86 17.89 0% 68.79
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 21 0.29 13.33 0% 72.90
K6851 内視鏡的胆道結石除去術(胆道砕石術を伴うもの) 17 8.94 14.94 0% 76.71
内科の手術で最も多い症例は、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除で、件数は96件です。大腸にできたポリープを内視鏡を用いて切除するもので、先端部から出したワイヤーでポリープの根元部分を引っ掛け、ワイヤーで締め電気で焼き切る手術です。患者さんの合併症の有無などで入院期間は多少前後しますが、一般的な症例の場合多くは4~5日で退院となります。
 2番目に多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術です。主に狭心症などの疾患に対して行われます。心臓カテーテルを用いて治療するもので、血管形成後や血管拡張後の再閉塞や再狭窄予防目的にステントと呼ばれる金属の筒を血管内に留置するものです。予定入院の場合、平均的な入院期間は4日間となります。カテーテル検査実施時に手術を行うケースも多いです。
 3番目に多い手術は内シャント造設術です。末期腎不全の患者さんが血液透析導入のためにシャントを造設する手術で、件数は28件です。平成28年度は11件だったため、約2.5倍となっています。
 5番目に多い手術は内視鏡的胆道結石除去術です。これは胆道結石症の患者さんに対して、内視鏡を十二指腸まで挿入し、砕石用カテーテルを用いて胆道結石を破砕し、摘出する手術です。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 25 0 16.20 4.00% 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
小児科で行われる新生児仮死蘇生術は、早産や低体重で出生した児に対して、救命、また神経障害を最小限にとどめるために、気道吸引や人工呼吸器による酸素投与などを行い、蘇生措置を施す手技のことです。当院産婦人科では比較的リスクの高い患者さんも受け入れており、小児科のNICU(新生児集中治療室)では早産児、低出生体重児や一過性多呼吸などの新生児に対して産婦人科と連携を取りながら迅速な処置・対応を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 88 1.01 2.24 0% 65.86
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 68 2.40 4.96 1.47% 64.04
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 47 3.19 11.21 2.13% 71.30
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 40 1.35 7.68 0% 65.48
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 38 5.84 13.37 2.63% 69.08
 外科で最も多い手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術です。合併症のある患者さんは入院日数が長くなることもありますが、基本的には2泊3日の入院の患者さんが多く、比較的短期間での退院が可能となっています。当院では現在、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、術後の早期社会復帰も考慮した治療を行っております。
 2番目に多い手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。胆嚢結石症等に対して行われる手術で、当院では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、お腹に小さな穴を複数ヶ所開け、そこから鉗子を挿入して胆嚢を摘出します。開腹手術に比べて傷痕も小さく、見た目が良いだけでなく術後の疼痛も少ないという特徴があります。また2016年度からはお臍の傷一つで手術を行う、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術もおこなっており、術後の回復も早く、患者さんの負担も少なくなっています。入院期間は1週間程度と、診療内容が標準化されており、安全で質の高い医療を提供しております。
 3番目に多い手術は、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術です。大腸がんに対する手術であり、こちらも腹腔鏡下での手術となっています。
 4番目に多い手術は、乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) です。当院乳腺外科ではガイドラインに沿った乳房手術を心掛けており、出来るだけ患者さんに侵襲の少ない手術を目指しています。
 5番目に多い手術は、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える)です。平成9年より胸腔鏡を利用した身体的負担を軽減した手術を導入しており、安定した成績をあげています。診療内容は安心・安全・確実な医療を重視して院内標準化されています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 84 3.92 24.67 15.48% 71.71
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 74 5.30 23.72 39.19% 77.69
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 61 1.54 5.54 0% 51.95
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 55 0.67 2.27 0% 55.36
K0463 骨折観血的手術(足) 等 46 1.13 1.96 0% 42.96
 整形外科で最も多い手術は人工関節置換術で、症例数は84件となっています。平均の入院日数は27日となっていますが、患者さんの状態等により入院期間は異なります。主に変形性股関節症に対して行われる手術です。  2番目に多い手術は、大腿に対しての骨折観血的手術です。症例数は74件、平均入院日数は28日となっていますが、骨折の重症度や経過、患者さんの合併症の有無などで入院日数は異なります。骨折の手術では最も一般的な術式で、患部を開きスクリューやプレートなどで固定し骨折部を安定して保持することを目的に行われるものです。手術の多くは大腿骨頚部(大腿骨と股関節をつなぐ部分)の骨折に対して行われているものです。
 3番目に多い手術は、前腕部等に対しての骨折観血的手術となっています。2位の大腿部同様にスクリュー・プレートを用いて治療を行います。  4番目に多い術式は軟部腫瘍摘出術で55件です。良性の腫瘍で皮下より深い所(軟部組織内)に位置する腫瘍の切除術です。状態によって日帰りで行われる手術でもあり、平均入院期間も2.9日と短くなっています。  術後は理学療法士が中心となり、患者さんそれぞれの立場を考えたリハビリを行い、早期回復をサポートしています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
K476-2 再建乳房乳頭形成術 - - - - -
K0081 腋臭症手術(皮弁法) - - - - -
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - - - -
 形成外科で行っている最も多い手術は、眼瞼下垂の手術です。
その他にも、顔面外傷、腋臭症、乳房の再建手術など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしております。
平成29年度は8月~12月の間、常勤医不在の影響により症例件数、手術件数ともに例年の半数以下の件数となっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 - - - - -
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K1802 頭蓋骨形成手術(硬膜形成を伴う) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
- - - - - - -
 脳神経外科の手術がしばらく中断しておりましたが、新病院での実際の診療が進んできて、脳神経外科も以前同様に外来・病棟・手術とすべての分野で再開いたしました。15年前に勤務した石川部長(元自治医大さいたま医療センター脳神経外科准教授)と新しい風を吹き込む篠田顧問(前聖路加国際病院脳神経外科部長)を中心にフル活動しています。再開2か月半では、下垂体腫瘍やそのほかの脳腫瘍、慢性硬膜下血腫等の手術を行っております。
 立川病院脳神経外科は、古くから、顔面けいれんの治療を行ってまいりました。現在もなお、検査、診断からボトックス治療、神経減圧術まで、行っております。手術は内視鏡での確認と筋電図モニターを加え、治癒率100%をめざします。術中脳神経機能の電気生理モニターは、脳腫瘍や脳血管障害をはじめとするほとんどの脳神経外科開頭手術で重要な手法です。さらに、内視鏡や超音波装置などの補助機器を用いて、術後の経過を良好にして、術後日数や平均滞在日数を減らします。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 92 0.90 5.05 0% 39.38
K877 子宮全摘術 90 1.73 8.46 0% 50.60
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 87 7.40 7.71 0% 34.63
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 50 2.92 8.16 2.00% 33.34
K879 子宮悪性腫瘍手術 49 2.67 11.61 0% 61.12
 産婦人科で最も多く行っている手術は、子宮附属器腫瘍摘出術(腹腔鏡)です。卵巣や卵管の良性腫瘍に対し、腹腔鏡下で腫瘍摘出を行う手術で、症例数は92件です。
 2番目に多い症例は子宮全摘術です。そのほとんどが子宮筋腫に対する手術となります。手術は基本的に前日に入院し、術後は5日間ほどで退院となります。子宮全摘術は開腹だけではなく、腹腔鏡による手術も行っています。
 3番目と4番目は帝王切開手術です。過去に帝王切開や子宮筋腫などの手術を行った患者さんや胎児が逆子の場合などの行われます。また、あらかじめ計画された帝王切開(選択的帝王切開術)は87件となります。緊急帝王切開は、予期できない理由で緊急に帝王切開術を行なった症例で件数は50件です。
当院では患者さんが安心してお産ができるように、いつでも緊急帝王切開に対応できる体制を整えております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 366 1.76 4.62 0% 75.73
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 45 2.27 4.04 0% 66.02
K275 網膜復位術 - - - - -
K2683 緑内障手術(濾過手術) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
 当院では白内障に対する水晶体再建術を多く行っており、症例数(入院の人数)は366件です。入院期間は基本的に片眼で4.3日、両眼で11.4日(一時外泊あり)ほどであり病気の特性上、高齢の方が多くなっています。  2番目の硝子体茎顕微鏡下離断手術は、主に糖尿病性網膜症や、黄斑円孔などに対する手術です。  3番目の網膜復位術は主に網膜剥離に対して眼外から行う手術です。網膜剥離の好発年齢は若年層(10~20歳代)と中年層(40~60歳代)でピークがあるため、平均年齢は若干低くなっています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 42 1.67 7.76 0% 32.74
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 40 1.65 5.45 0% 57.25
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 38 0.26 4.92 0% 35.34
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡) 20 2.00 4.10 0% 66.55
K319 鼓室形成手術 16 1.75 9.56 0% 45.31
 耳鼻科で最も多く行っている手術は口蓋扁桃摘出手術で症例数は42件となっています。扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎に対して行う扁桃摘出手術です。
 2番目に多い内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型は、内視鏡を使用した慢性副鼻腔炎に対する手術です。手術を行う範囲によって1~4型まで分かれており、3型単独では40件となっています。3型の手術は中等度の副鼻腔炎に対するものであり、複数の副鼻腔を処理する必要があります。  3番目に多い術式は扁桃周囲膿瘍切開術です。扁桃周囲膿瘍は、扁桃周囲に膿瘍を形成した状態を指します。外来で局所麻酔下に切開を加え、排膿を行った後、入院加療を行っています。術前の日数が短いのは来院後すぐに処置を行い、そのまま入院となる事が多いためです。
 4番目は良性の喉頭腫瘍に対する手術で症例数は20件です。直達鏡(喉に金属の管を挿入して内部を観察する器具)を用いて腫瘍を摘出します。平均在院日数はおおよそ7日です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 43 0.79 4.98 0% 75.28
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 12 0 1.50 0% 56.67
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
 最も多い皮膚悪性腫瘍切除術の対象は、基底細胞癌や有棘細胞癌、悪性黒色腫などが挙げられます。局所麻酔下に切除縫縮することが多いですが、大型のものでは全身麻酔下に植皮術や皮弁形成術と併せて行うこともあります。皮膚悪性腫瘍は高齢の方に多いため、平均年齢は75.28歳と高い傾向にあります。
 皮膚、皮下腫瘍摘出術は良性腫瘍に対して行う手術であり、大きさや部位(露出部か否か)によってKコードが細分化されていますが、術式は同じものとなります。ほとんどは局所麻酔で対応が可能で、入院当日に手術を行い、1~2泊で退院、約1週間後に外来で抜糸となることが多いです。
 なお表には示されていませんが、 軟部悪性腫瘍の切除術や、糖尿病性壊疽、壊死性筋膜炎に対する切開、デブリードマン、植皮術も近年増加傾向にあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 56 2.63 5.23 1.79% 74.18
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 49 2.76 3.47 2.04% 61.00
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 22 0 0 0% 49.05
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 15 1.07 5.53 0% 73.07
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 14 1.43 5.64 7.14% 55.43
 泌尿器科で最も多い手術は、膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術で、件数は56件です。平成28年度は32件だったため、約1.8倍になりました。膀胱がんに対して行われる手術で、合併症の有無や病態によって異なりますが、平均で5~6日で退院される患者さんが多くなっています。膀胱にある癌を尿道から挿入した内視鏡で切除します。
 2番目に多い手術は、経尿道的尿路結石除去術です。腎結石、尿管結石などに対する手術で、尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を破砕し体外へ摘出します。
 3番目に多い手術は、こちらも腎・尿管結石等に対する手術で、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術です。これは、体の外から衝撃波をあてて、体に傷をつけることなく結石を粉々に砕き、尿管から膀胱に排出させ体の外に出す手術です。
 4番目に多い手術は、前立腺肥大症に対して行われる手術で、経尿道的前立腺手術です。これも尿道から内視鏡を挿入し、電気メスを使用して、前立腺組織を小切片として切り出す手術です。
 5番目に多い手術は、経尿道的尿管ステント留置術です。腫瘍による圧迫など、何らかの理由で尿管が細くなり、腎臓に尿が溜まってしまう場合に、経尿道的にステントと呼ばれる管を入れて、尿が排出できるようにします。これら5つの手術はいずれも身体を大きく切らないので患者さんの負担が少なく確実性も高い治療法となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 15 0.18%
180010 敗血症 同一 20 0.25%
異なる 37 0.45%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 49 0.60%
異なる - -
 この指標は重症疾病である播種性血管内凝固(DIC)や敗血症等が、入院時から発生したものか、入院後に発生したものかを表したものです。
 がん疾患を合併症に持つ患者さんや入院時から非常に重篤な状態の患者さんが高い発生率となっています。多くの重症患者産に対応している当院では、件数0件にすることは難しいですが、医療の質の向上に引き続き取り組みたいと考えております。
 手術や処置の合併症は、透析シャントの閉塞や人工関節の脱臼、手術後の感染症などが該当します。術後、年月の経過と共に挿入物の合併症などが起こるケースがあります。当院では入院中に起こる合併症の数は少なく、ほとんどが入院時より合併症で入院される患者さんが占めています。
更新履歴
2018/09/26