令和6年度 立川病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 442 170 393 600 706 1,324 1,578 2,695 2,322 463
【コメント】
当院の患者さんを年齢別でみると、大きな特徴として9歳以下の患者さんが多いということです。小児患者、特に新生児において近隣病院で最も多くの患者さんを治療しています。また、女性疾患や周産期の疾患でも地域で多くの患者さんを治療しており、出産時における母体の管理から新生児の処置まで関係診療科が連携し、一貫した治療を行っています。
 全体では60歳代以降の患者さんが66%を占めており、高齢化社会の中で地域の中核病院としての役割を担っています。患者さんにとって最善の治療を各診療科が連携しながら、手術や化学療法・救急など様々な高度医療を患者さんに提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 経気管肺生検法等 処置2なし等 138 2.71 3.03 0.72% 73.33 気管支鏡患者用 2日間
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 137 3.04 2.57 0.00% 73.19 ポリペク前日入院
0400802499x0xx 肺炎等 75歳以上 手術なし 処置2なし 137 16.39 16.40 8.76% 84.58 細菌性肺炎
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的胆道ステント留置術等 処置2なし 副傷病なし 106 6.23 8.88 0.94% 74.87 胆道ステント
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 89 24.18 20.78 30.34% 84.51 誤嚥性肺炎唾液誤嚥レベル
【コメント】
 内科で最も症例数が多いのは肺の悪性腫瘍に対する気管支鏡検査です。平均在院日数は全国平均より短くなっています。
 2番目に症例数が多いのは大腸ポリープに対する内視鏡治療です。症例数は137件で、平均在院日数は3.04日です。 
 3番目に症例数が多いのは75歳以上の肺炎です。入院日数の長い重症患者さんも受け入れていますが、全国平均と同程度の在院日数で退院しています。
 4番目に症例数が多いのは胆管結石に対する内視鏡治療です。緊急の消化器疾患にも幅広く対応しており、平均在院日数は全国平均よりも短い日数で退院しています。
 5番目に症例数が多いのは誤嚥性肺炎です。平均在院日数は全国平均よりやや長めとなっています。5名の呼吸器内科常勤医とともに、内科医全体で診療を担当しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 処置2なし 70 5.41 6.11 1.43% 0.00 新生児
140010x197x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術あり 中心静脈注射等 46 7.59 12.22 0.00% 0.00 新生児
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 小児食物アレルギー負荷検査 27 1.00 2.10 0.00% 4.11 食物負荷試験
140010x297x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術あり 中心静脈注射等 21 16.62 28.55 0.00% 0.00 新生児
1800300400801199x0xxxxxxxx0x その他の感染症肺炎等 15歳未満または市中肺炎等 1歳以上15歳未満 手術なし 処置2なし(真菌を除く) 副傷病なし 20 6.60 5.61 0.00% 4.75
【コメント】
 小児科では、気管支炎・肺炎、胃腸炎などの感染症や川崎病など様々な疾患に対し、幅広く診療を行っています。
 最も多い疾患は新生児に対する治療で、症例数は70件、平均在院日数は5.41日となっています。生後間もない新生児は、黄疸や呼吸障害、嘔吐症など様々な症状が出やすいため、症状に応じ幅広い治療を行っています。
 2番目に多い疾患は1位と同様に新生児に対する治療で、新生児仮死や新生児呼吸障害などに対して、仮死蘇生術や人工呼吸などの治療を行っています。
 3番目に多い疾患は食物アレルギーの検査入院です。アレルギーの原因となる食物の確定及び安全な摂取量を調べる食物経口負荷試験を行っています。平均在院日数は1日となっており、日帰り入院で検査を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 鼠径ヘルニア手術等 108 4.13 4.54 0.00% 71.74 Lap-ヘルニア
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 処置2なし等 86 6.15 9.82 0.00% 70.31 肺切除術
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 76 6.16 7.05 0.00% 62.89 腹腔鏡下手術 胆嚢摘出
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術等 処置1なし 57 11.44 9.77 0.00% 62.86 乳房全摘
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 52 5.06 5.50 1.92% 62.58 乳房部切
【コメント】
 外科で最も多い疾患は鼠径ヘルニアに対する治療で件数は108件です。身体に負担の少ない腹腔鏡下での治療も多く行っています。転院率は0%であり、全国平均在院日数より短い日数で退院しています。
 2番目に多い疾患は、肺がんの手術治療で、件数は86件です。診療内容は標準化されており、多くの患者さんが全国平均より短い日数で退院しています。
 3番目に多い疾患は胆嚢炎や胆嚢結石に対する治療で、件数は76件です。ほぼ全例で腹腔鏡下で摘出術を行っています。転院率は0%であり、特に重篤な合併症もなく、一週間ほどで退院となっています。
 4、5番目に多い疾患は乳癌に対する切除術です。単純切除術だけでなく、温存手術や再建術なども行っています。平均在院日数は5.06日で全国平均とほとんど同じ日数で退院しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 87 28.77 25.29 43.68% 82.68 大腿骨頚部骨折
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 手術あり 処置1なし 79 2.70 4.65 0.00% 56.99 軟部腫瘍
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 66 20.26 18.76 9.09% 72.11 変形性股関節症
070085xx97xx0x 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外) 手術あり 副傷病なし 63 18.05 13.17 3.17% 59.25 足関節手術(TAA)
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む) 骨移植術等 55 7.85 12.71 0.00% 47.02 半月板損傷
【コメント】
 整形外科の疾患で最も多いのは大腿骨近位端(股関節)の骨折手術であり、症例数は87件です。平均在院日数は28.77日となっていますが、重症度や術後の経過等で入院日数は異なります。医師による手術のほか、理学療法士によるリハビリ治療を行い、患者さんをサポートしています。
 2番目に多い疾患は、上腕や大腿、背部など皮膚皮下の軟部腫瘍の手術です。症例数は79件で、平均在院日数は2.70日となっています。
 3番目に多い疾患は変形性股関節症や大腿骨頭壊死の手術で症例数は66件、平均在院日数は20.26日となっています。手術は主に人工関節置換術を行います。
 4番目に多い疾患は、滑膜炎や変形性足関節症等に対する手術で症例数は63件で、平均在院日数は18.05日となっています。滑膜炎は主に関節鏡を使用して滑膜切除を行います。変形性足関節症の場合は人工関節置換術や関節固定術を行います。
 5番目に多い疾患は、前十字靭帯損傷や半月板損傷に対する手術で症例数は55件、平均在院日数は7.85日となっています。
 現在整形外科には9名の常勤医師がおり、軟部腫瘍や上腕、脊椎・脊髄疾患、股・膝関節や足部の疾患、ケガ・外傷、リウマチや癌の骨転移など、幅広い専門分野で多くの患者さんの治療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 手術あり 処置1なし 21 6.71 4.65 0.00% 55.48 軟部腫瘍
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし 15 3.67 2.74 0.00% 72.27 眼瞼下垂手術
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり - - 5.63 - - 皮膚腫瘍
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合 - - 10.87 - -
070520xx97xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 手術あり - - 7.87 - - リンパ浮腫
【表の見方について】
 10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 形成外科で最も多い疾患は疾患は四肢・躯幹軟部腫瘍です。平均在院日数は6.71日で、主に皮下や軟部の腫瘍摘出術などを行っています。
 2番目に多い疾患は眼瞼下垂です。治療が標準化されており、短い日数で退院することが出来ています。
 当院では形成外科医2名が在籍し、顔面外傷、乳房・皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍の再建手術など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他手術あり 処置2なし 副傷病なし 17 14.00 9.83 17.65% 75.82
010010xx03x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし等 副傷病なし - - 19.89 - -
010230xx97x00x てんかん 手術あり 処置2なし 副傷病なし - - 13.88 - - 迷走神経刺激装置植込術(長期)
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - 7.99 - -
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) JCS10未満 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし - - 18.68 - -
【表の見方について】
 患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 当院脳神経外科での外傷性の手術は、急性及び慢性の硬膜下血腫の患者さんが多くを占めています。
てんかんはリハビリテーション目的の入院が多いですが、難治性のものには迷走神経刺激装置植込術  
といった手術をすることも多いです。
 非外傷性頭蓋内血種はいわゆる脳出血の患者さんです。小さい脳出血は薬で治療しますが、大きなものは手術で摘出することもあります。
 脳腫瘍の患者さんでは、腫瘍摘出術以外にも様々な合併症(てんかん、感染症など)出現時にも入院診療を行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 146 6.76 5.88 0.00% 44.27 子宮筋腫
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 子宮附属器腫瘍摘出術等 77 7.03 5.97 0.00% 41.55 卵巣腫瘍
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 帝王切開術等 77 10.10 9.40 0.00% 35.68 予定帝王切開術
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 69 3.00 2.92 0.00% 41.23 子宮頸がん・体がん円錐切除手術
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 処置2なし 51 11.12 9.84 0.00% 58.37 子宮頸がん・体がん子宮全摘出手術
【コメント】
 産婦人科では、主に子宮や子宮附属器の腫瘍に対する治療や、お産を行っています。
 産婦人科を総合して最も多い疾患は子宮の良性腫瘍に対する手術で、症例数は146件となっています。
 また、卵巣嚢腫の手術目的での入院も多い症例に挙げられます。良性の腫瘍では腹腔鏡手術も多く行っており、腹腔鏡下手術は患者さんの体への負担が少ないだけでなく、術後の傷が小さかったり早期の社会復帰が見込めます。子宮や子宮附属器の良性・悪性腫瘍に対する治療は北多摩西部二次医療圏内で最も多く行っております。
 また、当院にはNICUも併設されており、小児科医と連携を取りながら診療を行っています。
 保険診療にあたるDPCが対象のため上記リストにはありませんが、自費診療となる自然分娩も多く受け入れております。平均年齢は、表のように30代~50代と幅広い年齢の患者さんを受け入れており、地域の産婦人科における中核病院としての役割を担っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 670 2.83 2.49 0.00% 75.85 片側白内障
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 84 2.92 4.29 0.00% 75.49 両側白内障
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術等 処置2なし 37 4.65 5.47 0.00% 67.08 網膜前膜+白内障
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 処置2なし 片眼 36 3.94 5.89 0.00% 52.56 糖尿病性網膜症
020220xx97xxx0 緑内障 その他手術あり 片眼 26 4.31 4.52 0.00% 74.00 緑内障
【コメント】
 眼科は、ほとんどが手術のための入院となります。
 最も多い疾患・2番目に多い疾患は、白内障に対する治療です。片眼のみに対して手術を行う症例数が670件で平均在院日数は2.83日、両眼に対して手術を施行する症例数が84件で平均在院日数は2.92日となっています。主な手術として、水晶体再建手術を行います。年齢別では30代~90代となっており、片眼のみの症例は平均して75.85歳、両眼の症例は平均して75.49歳となります。
 3番目に多いのは網膜前膜や黄斑円孔に対する治療で、4番目に多いのは糖尿病性網膜症に対する治療です。主な手術として、硝子体手術を行います。同時に白内障手術も行うことが多いです。
 5番目に多いのは緑内障に対する治療です。主な手術として、緑内障治療用のインプラント挿入術を行います。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 76 5.21 5.84 0.00% 56.21 副鼻腔手術
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 門脈塞栓術(開腹によるもの)等 副傷病なし 74 5.81 7.65 0.00% 36.34 扁桃周囲膿瘍・切開あり
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 59 6.51 5.63 1.69% 41.08 扁桃周囲膿瘍
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他手術あり 54 8.00 8.27 0.00% 27.07 扁桃摘出手術
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 42 7.36 6.68 0.00% 55.95 耳下腺腫瘍
【コメント】
 耳鼻咽喉科の疾患で最も多いのは、、慢性副鼻腔炎に対する治療で症例数は76件、平均在院日数は5.21日で、内視鏡を使用して鼻・副鼻腔手術を行っています。
 2番目に多い疾患は、慢性扁桃炎で、口蓋扁桃摘出術を行っています。
 3番目、4番目に多い疾患は、扁桃周囲膿瘍や急性扁桃炎、急性喉頭蓋炎に対する治療です。抗生剤の投与が主な治療となり、扁桃周囲膿瘍切開術を行うこともあります。
 5番目に多い疾患は、耳下腺腫瘍や鼻腔腫瘍等に対する治療で症例数は42件、平均在院日数は7.36日となっています。
 当院の耳鼻咽喉科では多様な疾患を扱っており、適応があれば手術治療も実施しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 27 7.93 9.33 0.00% 72.56 帯状疱疹
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 26 5.92 6.92 0.00% 77.38 悪性腫瘍手術(黒色腫除く)
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし 17 9.76 12.98 0.00% 63.06 蜂窩織炎
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 処置1なし 15 3.47 3.77 0.00% 57.20 良性腫瘍手術 局麻当日入院
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり - - 5.63 - - 良性腫瘍手術 全麻朝開食
【表の見方について】
 患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 最も多い疾患は、帯状疱疹で症例数は27件です。帯状疱疹の主な治療は、抗ウイルス剤の全身投与で、発症後できるだけ早期に開始することが重要です。頭部発症例や疼痛が強い場合、高齢者や合併症のある方など重症な場合は、入院の上、1週間の抗ウイルス剤の点滴を行っています。平均在院日数は7.93日となっています。
 2番目に多い疾患は、皮膚の悪性腫瘍(皮膚がん)の切除術です。症例数は26件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさ、再建術(皮弁形成や植皮)の有無により様々ですが、平均5.92日となっています。
 3番目に多い疾患は、膿皮症で症例数は20件です。蜂窩織炎が最も多くを占めます。抗生剤の点滴が主たる治療で、平均在院日数は9.76日です。通常は1週間ほどの入院ですが、膿瘍や潰瘍を伴う場合は長期化することがあり、また当院では合併症を有する高齢者の患者さんが多く、入院期間がやや長い傾向にあります。
 4番目に多い疾患は、皮膚の良性腫瘍の切除術です。症例数は16件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさにより様々ですが、平均在院日数は3.47日となっています。  皮膚科常勤医は4名で、三多摩地域で多くの紹介患者さんを受け入れており、外来・入院・手術を含めた診療に当たっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 前立腺針生検法 その他のもの等 100 2.02 2.45 0.00% 70.28 前立腺がん 生検
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 副傷病なし 75 4.63 5.16 0.00% 64.11 尿管結石(TUL)
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用等 処置2なし 59 5.66 6.81 0.00% 73.05 膀胱腫瘍
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 33 1.03 2.40 0.00% 59.42 尿管結石(ESWL)
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 29 9.24 11.11 0.00% 68.10 前立腺がん 全摘
【コメント】
 泌尿器科で最も多い疾患は、前立腺がん疑いに対しての生検で、症例数は100件、平均在院日数は2.02日となっています。
 2番目に多い疾患は、尿路結石に対する手術で、件数は75件であり、平均在院日数は4.63日となっています。
 3番目に多い疾患は膀胱がんに対する手術です。症例数は59件であり、平均在院日数は5.66日となっています。膀胱がん、尿路結石に対する手術や、前立腺肥大に対する手術など、当院では尿道から内視鏡を入れて行う経尿道的手術を多く行っています。
  近隣地域において、多くの患者さんの治療を行っております。泌尿器科の医師は現在4名おり、膀胱や腎・尿路腫瘍、前立腺疾患や尿管結石など幅広い疾患に対応した治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 22 - - 14 18 - 1 8
大腸癌 30 23 31 24 - 23 1 8
乳癌 45 40 - - - 14 1 8
肺癌 59 18 49 87 - 189 1 8
肝癌 - - - - - 10 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【表の見方について】
10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
当院では、5大がんと言われ る胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝臓がんに対し、それぞれ専門の医師が治療に当たります。また、各診療科が連携して治療にあたり、転移や合併症にも対応できる環境が整っております。
■胃がん
  胃がんはステージごとの割合ではⅠ期の割合が高くなっています。早期がんでは内視鏡手術や腹腔鏡手術といった患者さんに負担の少ない治療を行っております。またⅢ期、Ⅳ期の症例にも対応しており、患者さんと十分に治療法の選択についてお話をしたうえで、手術や化学療法などの治療を行っております。
■大腸がん
  大腸がんは、早期がんから進行がんまで幅広く対応しています。治療は腹腔鏡手術を積極的に取り入れております。腹腔鏡手術の適応とならないような局所進行がんには開腹手術を行います。ステージに応じて補助化学療法、全身化学療法を行います。
■乳がん
  乳がんは、積極的な検診や健診が普及していることもあり、早期がん(0期+Ⅰ期)の割合が増えています。治療は手術や化学療法など幅広く対応しています。
■肺がん 
 呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科の緊密な連携のもとに、早期がんから進行がんまで幅広く対応しています。原則として、0~Ⅰ期の患者様は手術療法、ⅡおよびⅢ期は手術療法+薬物療法、Ⅲ~Ⅳ期および再発の場合は薬物療法と放射線治療が主体となりますが、患者さんの年齢や身体状況、組織型や遺伝子タイプに応じて最適な治療を提供しています。肺がんは再発しやすいため再発患者さんも多くいらっしゃいますが、近年の肺がん治療の進歩は目覚ましく、再発をしても適切な治療を適用することで良好な生活を維持しながら治療を続けている患者さんが数多くいらっしゃいます。  
■肝臓がん
  肝臓がんは早期がんから進行がんまで幅広く診療に対応しています。消化器内科、消化器外科、放射線科が連携し、手術、ラジオ波焼灼治療、カテーテル化学塞栓療法、放射線治療、分子標的治療など、がんの進行度に応じて、個々の患者さんに最適な治療を行っています。併存していることが多い肝疾患の治療を受ける環境も整っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 32 8.97 53.84
中等症 150 16.17 73.91
重症 45 20.93 83.93
超重症 23 23.87 84.00
不明 - - -
【表の見方について】
 10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 症例数では中等症が最も多い割合を占めています。
 入院期間は年齢や合併症などによりばらつきがあります。
 
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 61 25.95 77.80 37.84%
その他 13 20.46 72.23 8.11%
【コメント】
当院では脳梗塞は基本的に脳神経内科に入院となります。そのほとんどが発症から3日以内に来院されております。
 発症から3日以内に入院した急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は77.80歳です。リハビリテーションを含めた治療を行います。また、継続してリハビリテーションを行うためにリハビリテーションを専門とする病院へ転院することもあります。
 発症から時間が経ってから来院される患者さんの場合、早期の治療が行えないため、発症から3日以内に来院した患者さんに比べ治療に時間がかかることから、平均在院日数が長くなることがあります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 134 2.00 2.09 0.00% 74.34 ポリペク前日入院
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 93 3.61 4.10 3.23% 72.76 経皮的冠動脈ステント留置術
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 56 1.64 11.68 8.93% 77.63 胆道ステント
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 等 42 1.02 7.93 2.38% 76.10 内視鏡的乳頭切開術
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 35 9.97 16.06 11.43% 69.51 シャント造設術
【コメント】
 内科で最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除で、件数は134件です。大腸にできたポリープを内視鏡を用いて切除するもので、先端部から出したワイヤーでポリープの根元部分を引っ掛け、ワイヤーで締め電気で焼き切る手術です。患者さんの合併症の有無などで入院期間は多少前後しますが、多くは4~5日で退院となります。
 2番目に多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術です。主に狭心症などの疾患に対して行われます。心臓カテーテルを用いて治療するもので、血管形成後や血管拡張後の再閉塞や再狭窄予防目的にステントと呼ばれる金属の筒を血管内に留置するものです。予定入院の場合、カテーテル検査実施時に手術を行うケースも多いです。
 3番目に多い手術は内視鏡的胆道ステント留置術です。胆管が腫瘍や結石によって狭窄、閉塞した場合に行われ、ステントと呼ばれる管を留置して胆汁の通り道を作ります。手術は内視鏡下に行います。
 4番目に多い手術は内視鏡的乳頭切開術です。胆管炎や胆管結石、胆管の腫瘍などに対して行われます。
 5番目に多い手術は内シャント造設術です。末期腎不全の患者さんが血液透析導入のためにシャントを造設する手術です。
 その他にも胆管の内視鏡手術や胃瘻造設など幅広い疾患に対応しており、地域の中核病院としての役割を担っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 77 0.00 9.19 0.00% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 17 0.06 20.53 0.00% 0.00
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 - - - - -
【表の見方について】
10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 小児科で行われる新生児仮死蘇生術は、分娩直後、呼吸循環不全を呈した児に対して、救命および、低酸素脳症などの神経障害の発生を最小限にとどめるために、酸素投与、用手換気や心臓マッサージなどの蘇生措置を行うもので、それに続き人工呼吸器などを用いての集中的な循環呼吸補助治療なども行っています。当院産婦人科では早期産や低出生体重、合併症のある母体の分娩など比較的リスクの高い症例を受け入れており、新生児仮死、新生児呼吸窮迫症候など治療を要する新生児に対して産婦人科と連携を取りながら迅速な処置・対応を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 77 1.04 4.12 0.00% 62.75 腹腔鏡下手術 胆嚢摘出
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 61 1.00 2.15 0.00% 66.84 Lapソケイヘルニア
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 52 0.98 3.08 1.92% 62.58 乳房部切
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器) 等 48 1.77 9.98 0.00% 68.90 LAP結腸悪性腫瘍手術
K6335 鼠径ヘルニア手術 47 1.02 2.09 0.00% 77.26 ソケイヘルニア(腰麻)
【コメント】
 外科で最も多い手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術です。胆嚢結石症等に対して行われる手術で、当院では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、お腹に小さな穴を複数ヶ所開け、そこから鉗子を挿入して胆嚢を摘出します。開腹手術に比べて傷痕も小さく、見た目が良いだけでなく術後の疼痛も少ないという特徴があります。入院期間は1週間程度と、診療内容が標準化されており、安全で質の高い医療を提供しています。
 2番目に多い手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術です。合併症のある患者さんは入院日数が長くなることもありますが、基本的には4日間の入院の患者さんが多く、比較的短期間での退院が可能となっています。当院では現在、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、術後の早期社会復帰も考慮した治療を行っています。
 3番目に多い手術は、乳腺悪性腫瘍手術です。立川病院乳腺外科ではガイドラインに沿った乳房手術を心掛けています。基本的に乳房全摘もしくは部分切除とセンチネルリンパ節生検を組み合わせ、出来るだけ患者さんに侵襲の少ない手術を目指しています。乳房温存手術が希望でも、乳がんの進行具合によっては温存手術ができない場合があります。その場合は、手術前に抗がん剤治療をして原発巣を縮小させてからの手術を行っています。
 4番目に多い手術は、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術です。大腸癌に対して行われる手術で、当院では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。近年では内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ 」を用いた手術も実施しています。診療内容は安心・安全・確実な医療を重視して院内標準化されています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 114 1.56 18.58 14.91% 73.99 人工関節置換術
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 53 2.53 20.40 32.08% 81.28 骨折観血的手術 大腿
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 52 3.81 25.06 46.15% 83.94 頚部骨折BHA
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 47 2.02 17.13 17.02% 70.94 脊柱管狭窄椎弓固定術
K028 腱鞘切開術(関節鏡下によるものを含む) 等 46 0.02 0.04 0.00% 62.61 腱鞘切開術
【コメント】
 整形外科で最も多い手術は人工関節置換術で、主に変形性股関節症に対して行われる手術です。症例数は114件で、入院期間は患者さんの状態等により異なります。
 2番目に多い手術は、大腿に対しての骨折観血的手術です。骨折の重症度や経過、患者さんの合併症の有無などで入院日数は異なります。骨折の手術では最も一般的な術式で、患部を開きスクリューやプレートなどで固定し骨折部を安定して保持することを目的に行われるものです。手術の多くは大腿骨頚部(大腿骨と股関節をつなぐ部分)の骨折に対して行われているものです。
 3番目に多い術式は股関節に対しての人工骨頭挿入術です。大腿骨の近位部骨折に対する手術で、骨頭部分が破壊され温存できない場合、これを切除して人工物に入れ替える方法です。
 4番目に多い手術は腰部脊柱管狭窄症などに対して行う脊椎固定術です。神経の圧迫原因を取り除いた後に、不安定になった脊椎をプレートやスクリューなどの金属器具と患者さん自身の骨や人工骨などを用いて固定し、安定させる手術です。
 5番目に多い手術は、ばね指やドゥ・ケルバン腱鞘炎に対する腱鞘切開術となっています。
 術後は理学療法士が中心となり、患者さんそれぞれの立場を考えたリハビリを行い、早期回復をサポートしています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 14 1.00 5.14 0.00% 56.14 軟部腫瘍
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 10 0.00 2.50 0.00% 72.40 眼瞼下垂手術
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - - 皮膚腫瘍
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - - 眼瞼下垂手術(前転)
K0221 組織拡張器による再建手術(乳房(再建手術)) - - - - -
【表の見方について】
 10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 最も多い手術は、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)です。主に軟部腫瘍に対して腫瘍摘出術を行っています。症例数は14件で多くの患者さんは6日間の入院になります。
 次に多い手術が眼瞼下垂症の患者さんに対する眼瞼下垂症手術です。 
 当院では形成外科医が2名在籍し、その他にも、顔面外傷、乳房・皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍の再建手術など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 14 1.50 16.29 21.43% 80.36
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 10 4.00 14.90 10.00% 63.50
K181-5 迷走神経刺激装置交換術 - - - - - 迷走神経刺激装置植込術
K181-4 迷走神経刺激装置植込術 - - - - - 迷走神経刺激装置植込術 (長期)
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) - - - - -
【表の見方について】
 患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 高齢化社会となり、慢性硬膜下血腫の患者さんが増えております。加えて、心血管疾患診療の進歩に伴い、抗血栓薬を服用されている一般の患者さんで硬膜下血腫の合併を認めることも多くなっています。当科では、急性硬膜下血腫の患者さんにも対応しております。
 腫瘍摘出術は、脳原発の腫瘍のみならず転移性脳腫瘍の患者さんにも、ガイドラインに従って手術を行っております。
 迷走神経刺激装置植込術、交換術はてんかん治療のために行われる手術です。電気刺激装置を体内に埋め込み、てんかん発作が起こりそうな時に電気刺激を機械から流すことで発作を抑えることが出来ます。
 脳血管内手術は、最新式のCT併設の血管撮影システムを使用し、治療を行っております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用) 等 108 1.02 5.18 0.00% 47.38 腹腔鏡下腟式子宮全摘術
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 100 2.73 7.96 0.00% 35.35 予定帝王切開術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 89 1.07 4.91 0.00% 41.61 子宮付属器腫瘍摘出術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 67 1.00 1.00 0.00% 41.28 円錐切除手術
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 等 56 1.00 1.00 0.00% 39.89 子宮鏡下手術
【コメント】
 産婦人科で最も多く行っている手術は、腹腔鏡下腟式子宮全摘術です。腹腔鏡の導入で、開腹手術と比較してより短期間での退院が可能となっています。またロボット支援下で行う手術も増えています。
 2番目に多い手術は、帝王切開手術です。過去に帝王切開や子宮筋腫などの手術を行った患者さんや胎児が逆子の場合などで行われます。
 3番目に多い手術は子宮附属器腫瘍摘出術(腹腔鏡)です。卵巣や卵管の良性腫瘍に対し、腹腔鏡下で腫瘍摘出を行う手術です。
 4番目に多い手術は、子宮頸部(膣部)切除術です。そのほとんどが子宮頸部高度異形成に対する手術となります。 
 5番目に多い手術は、子宮内膜ポリープ切除術です。子宮鏡下で行う手術で、1泊2日で退院が可能です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 748 0.82 1.01 0.00% 75.75 白内障手術
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 91 0.67 2.75 0.00% 62.67 硝子体顕微鏡下離断術
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 31 0.45 2.65 0.00% 64.48 硝子体顕微鏡下離断術
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし) 25 0.60 2.72 0.00% 74.48 緑内障
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) - - - - - 白内障手術(逢着レンズ)
【表の見方について】
10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 当院では白内障に対する水晶体再建術を多く行っており、症例数は748件です。病気の特性上、高齢の方が多くなっています。
 2番目、3番目の硝子体茎顕微鏡下離断手術は、主に糖尿病性網膜症や、黄斑円孔、網膜剥離などに対する手術です。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 68 0.07 4.15 0.00% 36.06 扁桃周囲膿瘍
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 59 1.10 3.12 0.00% 56.51 副鼻腔手術
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 53 1.00 6.32 0.00% 31.19 扁桃摘出手術
K370 アデノイド切除術 35 1.00 4.69 0.00% 7.00 小児アデノイド
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 22 1.00 1.45 0.00% 6.82 小児滲出性中耳炎
【コメント】
最も多く行っている手術は扁桃周囲膿瘍切開術です。扁桃周囲膿瘍は、扁桃周囲に膿瘍を形成した状態を指します。外来で局所麻酔下に切開を加え、排膿を行った後、入院加療を行っています。術前の日数が短いのは来院後すぐに処置を行い、そのまま入院となる事が多いためです。
 2番目に多い術式は内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型は、内視鏡を使用した慢性副鼻腔炎に対する手術です。手術を行う範囲によって1~4型まで分かれており、3型単独では59件となっています。3型の手術は中等度の副鼻腔炎に対するものであり、複数の副鼻腔を処理する必要があります。
 3番目に多い術式は口蓋扁桃摘出手術で症例数53件となっています。扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎に対して行う扁桃摘出手術です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 38 0.82 4.18 0.00% 77.92 悪性腫瘍手術
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
K0021 デブリードマン(100cm2未満) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外・長径6~12cm)(6歳以上) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
【表の見方について】
 10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
 最も症例数の多い皮膚悪性腫瘍切除術の対象は、基底細胞癌や有棘細胞癌、悪性黒色腫などが挙げられます。局所麻酔下に切除縫縮することが多いですが、大型のものでは全身麻酔下に植皮術や皮弁形成術と併せて行うこともあります。皮膚悪性腫瘍は高齢の方に多いため、平均年齢は77.92歳と高い傾向にあります。
 患者さんが入院期間中に行った主となる手術のみを集計対象としていますが、非露出部、2センチ以上の大型の腫瘍提出術や、悪性腫瘍手術と同時に行っている植皮術や皮弁形成術を合わせると件数はさらに多くなっています。
 皮膚、皮下腫瘍摘出術は良性腫瘍に対して行う手術であり、大きさや部位(露出部か否か)によってKコードが細分化されていますが、術式は同じものとなります。ほとんどは局所麻酔で対応が可能で、入院当日に手術を行い、1~2泊で退院、約1週間後に外来で抜糸となることが多いです。
 皮膚腫瘍摘出術の多くは外来で行っており、外来では年間200件近く実施しています。
 ほかにも、軟部悪性腫瘍、糖尿病性壊疽、壊死性筋膜炎に対する切開、デブリードマンも近年増加傾向にあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 75 1.04 2.60 0.00% 64.33 経尿道的砕石術(TUL)
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 62 2.08 3.71 1.61% 73.52 経尿道的膀胱腫瘍切除
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 46 0.98 4.59 0.00% 61.78 尿管ステント留置術
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 33 0.00 0.03 0.00% 59.42 体外衝撃波砕石術
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 29 1.00 7.24 0.00% 68.10 前立腺全摘出術
【コメント】
 泌尿器科で最も多い手術は、経尿道的尿路結石除去術で、件数は75件です。合併症の有無や病態によって異なりますが、平均で4~5日で退院される患者さんが多くなっています。腎結石、尿管結石などに対する手術で、尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を破砕し体外へ摘出します。
 2番目に多い手術は、膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術で、件数は62件です。膀胱がんに対して行われる手術で、膀胱にあるがんを尿道から挿入した内視鏡で切除します。
 3番目に多い手術は、経尿道的尿管ステント留置術です。腫瘍による圧迫など、何らかの理由で尿管が細くなり、腎臓に尿が溜まってしまう場合に、経尿道的にステントと呼ばれる管を入れて、尿が排出できるようにします。
 4番目に多い手術は、腎・尿管結石等に対する手術で、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術です。これは、体の外から衝撃波をあてて、体に傷をつけることなく結石を粉々に砕き、尿管から膀胱に排出させ体の外に出す手術です。
 5番目に多い手術は、前立腺がんに対する腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術です。当院では内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ 」手術を実施しており比較的短い日数で退院しております。
  内視鏡を用いた手術から開腹による手術まで、それぞれに最適な方法を患者さんと一緒に考え、治療にあたっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.09%
180010 敗血症 同一 71 0.66%
異なる 37 0.35%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 60 0.56%
異なる - -
【表の見方について】
 10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています。
【コメント】
この指標は重症疾病である播種性血管内凝固(DIC)や敗血症等が、入院時から発生したものか、入院後に発生したものかを表したものです。
 がん疾患を合併症に持つ患者さんや入院時から非常に重篤な状態の患者さんが高い発生率となっています。多くの重症患者さんに対応している当院では、件数0件にすることは難しいですが、医療の質の向上に引き続き取り組みたいと考えています。
 手術や処置の合併症は、透析シャントの閉塞や人工関節の脱臼、手術後の感染症などが該当します。術後、年月の経過と共に挿入物の合併症などが起こるケースがあります。当院では入院中に起こる合併症の数は少なく、入院時より合併症で入院される患者さんが多くを占めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,658 1,369 82.57%
【コメント】
 肺血栓塞栓症は、大きな手術後ベッド上安静を長くしている場合に発症しやすいとされています。
 当院では予防対策の実施率が高く、積極的に肺塞栓症の予防に取り組んでおります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
3,417 2,548 74.57%
【コメント】
 2024年7月から9月にかけて血培ボトルの供給不足があり、その影響を受け74.57%となっております
 が、通常であれば90%以上の実施率を維持しています。
 当院では患者さんの感染症に対し、適切な抗菌薬を用いた治療を行っております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
826 764 92.49%
【コメント】
 当院では細菌培養同定検査の実施が定着しており、適切な抗菌薬の処方に結びついています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
116,994 318 2.72‰
【コメント】
 当院の転倒・転落の発生率は2.72%であり、全国の同規模施設と比べ平均的な発生率となっています。
 転倒には医療スタッフによる介助時や移動時の転倒・転落によるもの、医療施設の敷地外や外泊中の転倒・転落によるもの、意図的な転倒・転落に
 よるものなどがあり、また同一患者が複数回転倒するケースも見られます。当院ではこのような場合、医療安全管理部にインシデント、アクシデント
 報告を行い、発生原因の特定および再発防止に努めています。 
 また、対策として共通のマニュアルである「転棟転落アセスメントシート」を用いて、予防的介入を行っています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
116,994 9 0.08‰
【コメント】
 転倒・転落の原因は、疾病や治療の影響など原因はさまざまです。インシデント影響度分類レベル3b 以上とは入院中の転倒や転落で骨折などに
 対する治療が必要となる状態を表します。
 この指標は、病院として転倒・転落予防の取り組みを効果的に⾏えているかどうかを表す指標になります。
 当院の発生率は同規模の医療機関と比べ低い発生率となっています。
 当院では組織的に再発を防止するため、インシデント・アクシデント報告を実施し、再発の防止に努めています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
2,809 2,807 99.96%
【コメント】
 予防的抗菌薬投与とは、主に手術後感染症、特に手術部位感染症を防ぐために、手術の開始前に抗菌薬をあらかじめ投与することです。
 当院では手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率はほぼ100%実施しており、安全で質の高い医療の提供に努めています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
115,318 102 0.09%
【コメント】
 褥瘡とは一般的に「床ずれ」とも呼ばれ、寝たきり状態になると体重で圧迫された部位の血流が悪くなり、皮膚が傷ついた状態のことです。
 褥瘡は傷の深さによって分類され、d2以上は「浅い褥瘡」と「深い褥瘡」を分ける際の基準の一つとなります。
 褥瘡防止のための取り組みとして、入院時より褥瘡のリスクアセスメントを行い、患者一人一人に適した褥瘡対策を行っています。 
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
6,098 2,452 40.21%
【コメント】
早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることが、在院日数の短縮や予後の改善につながると考えられます。
 当院では入院時より栄養管理計画書を作成し、多職種間で情報を共有することで栄養状態の改善に努めています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
106,122 5,494 5.18%
【コメント】
 身体的拘束は、患者の転落や徘徊の防止、点滴のチューブを抜かないなど、事故の発生や治療に影響を及ぼす場合行うことがあります。 
 当院での身体的拘束の実施率は同規模医療機関と比べ、やや低い実施率となっており、身体的拘束は、患者への負担も考えられるため、
 極力最小限にとどめています。
更新履歴
2025.09.26