令和5年度 立川 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 501 173 376 652 846 1188 1484 2632 1966 463
 当院の患者さんを年齢別でみると、大きな特徴として9歳以下の患者さんが多いということです。小児患者、特に新生児において近隣病院で最も多くの患者さんを治療しています。また、女性疾患や周産期の疾患でも地域で多くの患者さんを治療しており、出産時における母体の管理から新生児の処置まで関係診療科が連携し、一貫した治療を行っています。
 全体では60歳代以降の患者さんが63.7%を占めており、高齢化社会の中で地域の中核病院としての役割を担っています。患者さんにとって最善の治療を各診療科が連携しながら、手術や化学療法・救急など様々な高度医療を患者さんに提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 109 5.88 8.33 0.00% 69.17 肺がん化学療法
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 105 14.78 18.65 2.86% 75.21
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 104 3.67 2.61 0.00% 73.46 大腸ポリープ
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 94 16.76 17.38 7.45% 82.99
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 89 20.55 20.60 15.73% 84.45
 内科で最も症例数が多いのは肺の悪性腫瘍に対する化学療法です。平均在院日数は全国平均より短くなっています。
 2番目に症例数が多いのは間質性肺炎です。間質性肺炎は70代以上の患者さんが76.2%を占めています。入院日数の長い重症患者さんも受け入れていますが、全国平均よりも短い在院日数で退院しています。
 3番目に症例数が多いのは大腸ポリープに対する内視鏡治療で、症例数は104件、平均在院日数は3.67日です。
 4番目に症例数が多いのは心不全です。緊急の循環器疾患にも幅広く対応しており、平均在院日数は全国平均よりも短い日数で退院しています。循環器の内科医は8名在籍しています。
 5番目に症例数が多いのは誤嚥性肺炎です。平均在院日数は全国平均とほぼ同じ日数となっています。呼吸器内科医が担当となることが多く、当院では6名の呼吸器内科医が在籍しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 処置2なし妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 処置2なし 71 5.23 6.07 1.41% 0.00 新生児
140010x197x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術あり 中心静脈注射等 64 6.80 12.48 4.69% 0.00 新生児
140010x297x10x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術あり 中心静脈注射等 副傷病なし 26 11.54 25.37 3.85% 0.00 新生児
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 24 7.17 5.96 0.00% 0.88
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 処置2なし 22 6.41 5.86 0.00% 1.27
 小児科では、脱水や気管支炎・肺炎、腸炎など様々な疾患に対し、幅広く診療を行っています。
 最も多い疾患は新生児に対する治療で、症例数は71件、平均在院日数は5.23日となっています。生後間もない新生児は、黄疸や呼吸障害、脱水、嘔吐など様々な症状が出やすいため、症状に応じ幅広い治療を行っています。
 2番目、3番目に多い疾患は1位と同様に新生児に対する治療で、新生児仮死や新生児呼吸障害などに対して、仮死蘇生術や人工呼吸などの治療を行っています。
 4番目に多い疾患は気管支炎など、5番目に多い疾患は肺炎などの、治療目的入院です。RSウイルスなどのウイルス感染による気管支炎や肺炎が多く、ネブライザーや酸素吸引、補液などの治療を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 115 4.10 4.55 0.00% 68.89 ソケイヘルニア
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 98 6.90 9.89 0.00% 69.76 肺がん
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 84 11.01 9.88 0.00% 61.98 乳がん 乳房全摘
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 54 6.56 5.64 0.00% 61.67 乳がん 乳房部切
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 50 6.04 6.87 0.00% 59.10 胆のう炎
 外科で最も多い疾患は鼠径ヘルニアに対する治療で件数は115件です。身体に負担の少ない腹腔鏡下での治療も多く行っています。転院率は0%であり、全国平均在院日数より短い日数で退院しています。
 2番目に多い疾患は、肺がんの手術治療で、件数は98件です。診療内容は標準化されており、多くの患者さんが全国平均より短い日数で退院しています。
 3番目と4番目に多い疾患は乳癌に対する切除術です。単純切除術だけでなく、温存手術や再建術なども行っています。
 5番目に多い疾患は胆嚢炎や胆嚢結石に対する治療で、件数は50件です。ほぼ全例で腹腔鏡下で摘出術を行っています。転院率は0%であり、特に重篤な合併症もなく、一週間ほどで退院となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 110 28.48 25.50 43.64% 81.02 大腿骨頚部骨折
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 90 2.79 5.14 0.00% 54.80 軟部腫瘍
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 70 20.11 19.55 4.29% 70.67 変形性股関節症
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 48 6.96 13.04 0.00% 44.63 半月板損傷
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 44 1.50 4.49 6.82% 66.52 手根管症候群
 整形外科の疾患で最も多いのは大腿骨近位端(股関節)の骨折手術であり、症例数は110件です。平均在院日数は28.48日となっていますが、重症度や術後の経過等で入院日数は異なります。医師による手術のほか、理学療法士によるリハビリ治療を行い、患者さんをサポートしています。
 2番目に多い疾患は、上腕や大腿、背部など皮膚皮下の軟部腫瘍の手術です。症例数は90件で、平均在院日数は2.79日となっています。
 3番目に多い疾患は変形性股関節症や大腿骨頭壊死の手術で症例数は70件、平均在院日数は20.11日となっています。手術は主に人工関節置換術を行います。
 4番目に多い疾患は、前十字靭帯損傷や半月板損傷に対する手術で症例数は48件、平均在院日数は6.96日となっています。
 5番目に多い疾患は、手根管症候群等に対する手術、変形性足関節症や後脛骨筋腱機能不全等に対する手術で症例数はそれぞれ44件となっています。手根管症候群の場合は、手術は主に関節鏡を使用して行い、日帰り入院が多いです。変形性足関節症の場合は主に人工関節置換術や関節固定術、後脛骨筋腱機能不全の場合は自分の腱や筋膜、人工靭帯等を用いて靭帯の再建や形成を行います。
 現在整形外科には10名の常勤医師がおり、軟部腫瘍や上腕、脊椎・脊髄疾患、股・膝関節や足部の疾患、ケガ・外傷、リウマチや癌の骨転移など、幅広い専門分野で多くの患者さんの治療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 27 3.44 2.82 0.00% 76.81 眼瞼下垂
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし - - 5.14 - - 軟部・皮下腫瘍
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.28 - - 軟部・皮下腫瘍
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし - - 3.93 - - 皮膚良性腫瘍
070520xx97xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 手術あり - - 8.18 - - リンパ浮腫
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 形成外科で最も多い疾患は眼瞼下垂です。治療が標準化されており、全国より短い在院日数で退院することが可能です。
 2番目に多い疾患は四肢・躯幹軟部腫瘍です。
 当院では形成外科医2名が在籍し、顔面外傷、乳房・皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍の再建手術など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしております。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 109 9.72 9.34 0.00% 34.64 予定帝王切開術
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 109 6.77 5.93 0.00% 44.30 子宮筋腫
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 83 7.05 6.00 0.00% 42.47 卵巣腫瘍
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 63 3.00 2.96 0.00% 43.30 子宮頸がん・体がん円錐切除手術
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 60 11.25 10.10 0.00% 59.33 子宮頸がん・体がん子宮全摘出手術
 産婦人科では、主に子宮や子宮附属器の腫瘍に対する治療や、お産を行っています。
 産婦人科を総合して最も多い疾患は、既往帝王切開や骨盤位などの患者さんに対する手術、子宮の良性腫瘍に対する手術で、症例数はそれぞれ109件となっています。
 また、卵巣嚢腫の手術目的での入院も多い症例に挙げられます。良性の腫瘍では腹腔鏡手術も多く行っており、腹腔鏡下手術は患者さんの体への負担が少ないだけでなく、術後の傷が小さかったり早期の社会復帰が見込めます。子宮や子宮附属器の良性・悪性腫瘍に対する治療は北多摩西部二次医療圏内で最も多く行っております。
 また、当院にはNICUも併設されており、小児科医と連携を取りながら診療を行っています。
 保険診療にあたるDPCが対象のため上記リストにはありませんが、自費診療となる自然分娩も多く受け入れております。平均年齢は、表のように30代~50代と幅広い年齢の患者さんを受け入れており、地域の産婦人科における中核病院としての役割を担っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 344 3.00 2.54 0.00% 74.56 片側白内障
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 342 3.50 4.46 0.00% 76.70 両側白内障
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 処置2なし 片眼 30 5.00 6.10 0.00% 58.93 糖尿病性網膜症
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術等 処置2なし 24 4.79 5.67 0.00% 69.96 網膜前膜+白内障
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 23 5.78 7.81 0.00% 55.52 網膜剥離
 眼科は、ほとんどが手術のための入院となります。
 最も多い疾患・2番目に多い疾患は、白内障に対する治療です。片眼のみに対して手術を行う症例数が344件で平均在院日数は3.00日、両眼に対して手術を施行する症例数が342件で平均在院日数は3.50日となっています。主な手術として、水晶体再建手術を行います。年齢別では30代~90代となっており、片眼のみの症例は平均して74.56歳、両眼の症例は平均して76.70歳となります。
 3番目に多いのは糖尿病性網膜症に対する治療、4番目に多いのは網膜前膜や黄斑円孔に対する治療です。主な手術として、硝子体手術を行います。同時に白内障手術も行うことが多いです。
 5番目に多いのは網膜剥離に対する治療です。症例数は23件、平均在院日数は5.78日となっています。主な手術として、眼外からの網膜復位術や硝子体手術を行います。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 91 5.79 6.02 1.10% 51.12 慢性副鼻腔炎
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 77 7.96 7.53 0.00% 29.36 扁桃摘出手術
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 血管塞栓術等 副傷病なし 75 5.79 7.52 0.00% 36.36 扁桃周囲膿瘍・切開あり
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 45 5.49 5.51 0.00% 37.42 扁桃周囲膿瘍
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 43 6.44 6.74 0.00% 56.28 耳下腺腫瘍
 耳鼻咽喉科の疾患で最も多いのは、慢性副鼻腔炎に対する治療で症例数は91件、平均在院日数は5.79日で、内視鏡を使用して鼻・副鼻腔手術を行っています。
 2番目に多い疾患は、慢性扁桃炎で、口蓋扁桃摘出術を行っています。
 3番目に多い疾患、4番目に多い疾患は、扁桃周囲膿瘍や急性扁桃炎、急性喉頭蓋炎に対する治療です。抗生剤の投与が主な治療となり、扁桃周囲膿瘍切開術を行うこともあります。
 5番目に多い疾患は、耳下腺腫瘍や鼻腔腫瘍等に対する治療で症例数は43件、平均在院日数は6.44日となっています。
 当院の耳鼻咽喉科では多様な疾患を扱っており、適応があれば手術治療も実施しています
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 35 4.03 7.22 0.00% 77.09 悪性腫瘍手術(黒色腫除く)
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 30 8.03 9.29 0.00% 68.90 帯状疱疹
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 20 10.85 12.88 0.00% 61.80
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 16 2.81 3.93 0.00% 54.88 良性腫瘍手術
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 12 4.67 10.91 0.00% 65.25 悪性黒色腫手術
 最も多い疾患は、皮膚の悪性腫瘍(皮膚がん)の切除術です。症例数は35件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさ、再建術(皮弁形成や植皮)の有無により様々ですが、平均4.03日となっています。
 2番目に多い疾患は、帯状疱疹で症例数は30件です。帯状疱疹の主な治療は、抗ウイルス剤の全身投与で、発症後できるだけ早期に開始することが重要です。頭部発症例や疼痛が強い場合、高齢者や合併症のある方など重症な場合は、入院の上、1週間の抗ウイルス剤の点滴を行っています。平均在院日数は8.03日となっています。
 3番目に多い疾患は、膿皮症で症例数は20件です。蜂窩織炎が最も多くを占めます。抗生剤の点滴が主たる治療で、平均在院日数は10.85日です。通常は1週間ほどの入院ですが、膿瘍や潰瘍を伴う場合は長期化することがあり、また当院では合併症を有する高齢者の患者さんが多く、入院期間がやや長い傾向にあります。
 4番目に多い疾患は、皮膚の良性腫瘍の切除術です。症例数は16件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさにより様々ですが、平均在院日数は2.81日となっています。  5番目に多い疾患は黒色腫(皮膚がん)の切除術です。症例数は12件、在院日数は麻酔方法、腫瘍の大きさ、再建術(皮弁形成や植皮)の有無により様々ですが、平均4.67日となっています。
 現在、皮膚科常勤医は4名で、三多摩地域で多くの紹介患者さんを受け入れており、外来・入院・手術を含めた診療にあたっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 83 2.00 2.44 0.00% 72.05 前立腺がん 生検
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 55 5.27 6.85 0.00% 73.22 膀胱腫瘍
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 40 4.55 5.22 0.00% 60.23 尿管結石(TUL)
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 39 1.10 2.43 0.00% 59.46 尿管結石(ESWL)
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 30 9.60 11.19 0.00% 69.80 前立腺がん 全摘
 泌尿器科で最も多い疾患は、前立腺がん疑いに対しての生検で、症例数は83件、平均在院日数は2.00日となっています。
 2番目に多い疾患は膀胱がんに対する手術です。症例数は55件であり、平均在院日数は5.27日となっています。
 3番目に多い疾患は、尿路結石に対する手術で、件数は40件であり、平均在院日数は4.55日となっています。膀胱がん、尿路結石に対する手術や、前立腺肥大に対する手術など、当院では尿道から内視鏡を入れて行う経尿道的手術を多く行っています。
 近隣地域において、多くの患者さんの治療を行っております。泌尿器科の医師は現在3名おり、膀胱や腎・尿路腫瘍、前立腺疾患や尿管結石など幅広い疾患に対応した治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 47 13 10 - - - 1 8
大腸癌 33 28 22 24 - 16 1 8,7
乳癌 40 62 - - - 16 1 8
肺癌 66 25 52 124 10 178 1 8
肝癌 - - - - - 15 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 当院では、5大がんと言われる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝臓がんに対し、それぞれ専門の医師が治療にあたります。また、各診療科が連携して治療にあたり、転移や合併症にも対応できる環境が整っております。
■胃がん
  胃がんはステージごとの割合ではⅠ期の割合が高くなっています。早期がんでは内視鏡手術や腹腔鏡手術といった患者さんに負担の少ない治療を行っております。またⅢ期、Ⅳ期の症例にも対応しており、患者さんと十分に治療法の選択についてお話をしたうえで、手術や化学療法などの治療を行っております。
■大腸がん
  大腸がんは、早期がんから進行がんまで幅広く対応しています。治療は腹腔鏡手術を積極的に取り入れております。腹腔鏡手術の適応とならないような局所進行がんには開腹手術を行います。ステージに応じて補助化学療法、全身化学療法を行います。
■乳がん
  乳がんは、積極的な検診や健診が普及していることもあり、早期がん(0期+Ⅰ期)の割合が増えています。治療は手術や化学療法など幅広く対応しています。
■肺がん 
 呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科の緊密な連携のもとに、早期から進行がんまで幅広く対応しています。原則として、0~Ⅰ期の患者様は手術療法、ⅡおよびⅢ期は手術療法+薬物療法、Ⅲ~Ⅳ期および再発の場合は薬物療法と放射線治療が主体となりますが、患者さんの年齢や身体状況、ご希望に応じて臨機応変に対応します。肺がんは再発しやすいため再発患者さんも多くなっていますが、近年の肺がん治療の進歩は目覚ましく、再発をしても適切な治療を適用することで良好な生活を維持しながら治療を続けている患者さんが数多くいます。  
■肝臓がん
  肝臓がんは早期がんから進行がんまで幅広く診療に対応しています。消化器内科、消化器外科、放射線科が連携し、手術、ラジオ波焼灼治療、カテーテル化学塞栓療法、放射線治療、分子標的治療など、がんの進行度に応じて、個々の患者さんに最適な治療を行っています。併存していることが多い肝疾患の治療を受ける環境も整っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 81 15.46 77.77
重症 47 17.23 84.15
超重症 16 23.88 82.19
不明 - - -
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 症例数では中等症が最も多い割合を占めています。
 中等症例よりも重症例のほうが平均在院日数は短くなっておりますが、入院期間は年齢や合併症などによりばらつきがあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 94 22.00 76.71 26.56%
その他 34 27.15 76.03 11.72%
 当院では脳梗塞は基本的に脳神経内科に入院となります。そのほとんどが発症から3日以内に来院されております。
 発症から3日以内に入院した急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は76.71歳です。リハビリテーションを含めた治療を行います。また、継続してリハビリテーションを行うためにリハビリテーションを専門とする病院へ転院することもあります。
 発症から時間が経ってから来院される患者さんの場合、早期の治療が行えないため、発症から3日以内に来院した患者さんに比べ治療に時間がかかることから、平均在院日数が長くなることがあります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 112 2.10 2.64 0.00% 74.68 大腸ポリープ
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 53 1.70 12.15 3.77% 74.87 胆道ステントr
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 48 5.27 5.98 0.00% 72.50 内シャント造設
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 32 2.94 3.00 0.00% 69.91 経皮的冠動脈ステント留置術
K654 内視鏡的消化管止血術 27 5.89 22.37 14.81% 76.52
 内科で最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除で、件数は112件です。大腸にできたポリープを内視鏡を用いて切除するもので、先端部から出したワイヤーでポリープの根元部分を引っ掛け、ワイヤーで締め電気で焼き切る手術です。患者さんの合併症の有無などで入院期間は多少前後しますが、多くは4~5日で退院となります。
 2番目に多い手術は内視鏡的胆道ステント留置術です。胆管が腫瘍や結石によって狭窄、閉塞した場合に行われる手術で、ステントと呼ばれる管を留置して胆汁の通り道を作ります。手術は内視鏡下に行います。
 3番目に多い手術は内シャント造設術です。末期腎不全の患者さんが血液透析導入のためにシャントを造設する手術で、件数は48件です。
 4番目に多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術です。主に狭心症などの疾患に対して行われます。心臓カテーテルを用いて治療するもので、血管形成後や血管拡張後の再閉塞や再狭窄予防目的にステントと呼ばれる金属の筒を血管内に留置するものです。予定入院の場合、カテーテル検査実施時に手術を行うケースも多いです。
 その他にも胆管の内視鏡手術や胃瘻造設など幅広い疾患に対応しており、地域の中核病院としての役割を担っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 66 1.17 8.27 0.00% 62.67 乳房全摘術
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 60 1.22 4.13 0.00% 60.02 腹腔鏡下手術 胆嚢摘出
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 58 1.00 2.03 0.00% 66.47 腹腔鏡下ヘルニア手術
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用) 等 57 1.26 5.04 0.00% 69.35 胸腔鏡下肺がん手術
K6335 鼠径ヘルニア手術 57 0.98 2.18 0.00% 70.40 ソケイヘルニア(局麻)
 外科で最も多い手術は、乳腺悪性腫瘍手術です。立川病院乳腺外科ではガイドラインに沿った乳房手術を心掛けています。基本的に乳房全摘もしくは部分切除とセンチネルリンパ節生検を組み合わせ、出来るだけ患者さんに侵襲の少ない手術を目指しています。乳房温存手術が希望でも、乳がんの進行具合によっては温存手術ができない場合があります。その場合は、手術前に抗がん剤治療をして原発巣を縮小させてからの手術を行っています。
 2番目に多い手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。胆嚢結石症等に対して行われる手術で、当院では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、お腹に小さな穴を複数ヶ所開け、そこから鉗子を挿入して胆嚢を摘出します。開腹手術に比べて傷痕も小さく、見た目が良いだけでなく術後の疼痛も少ないという特徴があります。入院期間は1週間程度と、診療内容が標準化されており、安全で質の高い医療を提供しています。
 3番目に多い手術は腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術です。合併症のある患者さんは入院日数が長くなることもありますが、基本的には4日間の入院の患者さんが多く、比較的短期間での退院が可能となっています。当院では現在、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、術後の早期社会復帰も考慮した治療を行っています。
 4番目に多い手術は、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える)です。平成9年より胸腔鏡を利用した身体的負担を軽減した手術を導入しており、安定した成績をあげています。診療内容は安心・安全・確実な医療を重視して院内標準化されています。 
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 127 0.01 9.05 2.36% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 26 0.00 14.00 3.85% 0.00
K300 鼓膜切開術 - - - - -
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 小児科で行われる新生児仮死蘇生術は、分娩直後、呼吸循環不全を呈した児に対して、救命および、低酸素脳症などの神経障害の発生を最小限にとどめるために、酸素投与、用手換気や心臓マッサージなどの蘇生措置を行うもので、それに続き人工呼吸器などを用いての集中的な循環呼吸補助治療なども行っています。当院産婦人科では早期産や低出生体重、合併症のある母体の分娩など比較的リスクの高い症例を受け入れており、小児科のNICU(新生児集中治療室)では新生児仮死、新生児呼吸窮迫症候など治療を要する新生児に対して産婦人科と連携を取りながら迅速な処置・対応を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 127 1.92 17.65 10.24% 72.69 人工関節置換術
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 63 2.79 22.27 42.86% 78.22 骨折観血的手術 大腿
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 52 0.83 1.69 0.00% 56.77 軟部腫瘍
K0462 骨折観血的手術(下腿) 等 49 3.00 9.12 8.16% 56.33 骨折観血的手術 下腿
K0484 骨内異物(挿入物を含む)除去術(指) 等 45 0.78 2.42 0.00% 54.13 骨内異物除去
 整形外科で最も多い手術は人工関節置換術で、主に変形性股関節症に対して行われる手術です。症例数は127件で、入院期間は患者さんの状態等により異なります。
 2番目に多い手術は、大腿に対しての骨折観血的手術です。症例数は63件、平均入院日数は25.06日となっていますが、骨折の重症度や経過、患者さんの合併症の有無などで入院日数は異なります。骨折の手術では最も一般的な術式で、患部を開きスクリューやプレートなどで固定し骨折部を安定して保持することを目的に行われるものです。手術の多くは大腿骨頚部(大腿骨と股関節をつなぐ部分)の骨折に対して行われているものです。
 3番目に多い術式は軟部腫瘍摘出術で症例数は52件です。良性の腫瘍で皮下より深い所(軟部組織内)に位置する腫瘍の切除術です。状態によって日帰りで行われる手術でもあり、平均入院期間も2.52日と短くなっています。
 4番目に多い手術は、下腿に対しての骨折観血的手術です。2位の大腿部同様にスクリュー・プレートを用いて治療を行います。
 5番目に多い手術は、手足や指等に対しての骨内異物除去術となっています。
 術後は理学療法士が中心となり、患者さんそれぞれの立場を考えたリハビリを行い、早期回復をサポートしています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 17 0.00 2.41 0.00% 74.88 眼瞼手術
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 12 0.00 2.58 0.00% 80.33 眼瞼手術
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 - - - - - 軟部・皮下腫瘍
K628 リンパ管吻合術 - - - - - リンパ管吻合術
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) - - - - - 皮膚良性腫瘍腫瘍
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 最も多い手術は、眼瞼下垂症の患者さんに対する眼瞼下垂症手術です。
 次に多い手術が四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)です。 
 当院では形成外科医が2名在籍し、その他にも、顔面外傷、乳房・皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍の再建手術など幅広い疾患に対応しており、整容的・機能的回復をサポートしています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 124 3.60 7.73 0.00% 34.90 予定帝王切開術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 等 122 1.13 5.23 0.00% 42.92 子宮付属器腫瘍摘出術
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 90 2.20 7.96 0.00% 33.94 緊急帝王切開術
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用)等 81 1.01 5.31 0.00% 47.81 腹腔鏡下腟式子宮全摘術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 61 1.00 1.00 0.00% 43.23 円錐切除手術
 産婦人科で最も多く行っている手術は、帝王切開手術です。過去に帝王切開や子宮筋腫などの手術を行った患者さんや胎児が逆子の場合などに行われます。また、あらかじめ計画された帝王切開(選択的帝王切開術)は124件となります。
 2番目に多い手術は、子宮附属器腫瘍摘出術(腹腔鏡)です。卵巣や卵管の良性腫瘍に対し、腹腔鏡下で腫瘍摘出を行う手術で、症例数は122件です。
 3番目に多い手術は予期できない理由で緊急に帝王切開術を行なった疾患で件数は90件です。当院では患者さんが安心してお産ができるように、いつでも緊急帝王切開に対応できる体制を整えております。
 4番目に多い手術は、腹腔鏡下腟式子宮全摘術です。腹腔鏡の導入で、開腹手術と比較してより短期間での退院が可能となっています。またロボット支援下で行う手術も増えています。 
 5番目に多い手術は、子宮頸部(膣部)切除術です。そのほとんどが子宮頸部高度異形成に対する手術となります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 682 0.98 1.27 0.00% 75.74 白内障手術
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 68 0.93 3.34 0.00% 62.50 硝子体顕微鏡下離断術
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 27 0.81 3.96 0.00% 65.48 硝子体顕微鏡下離断術
K2683 緑内障手術(濾過手術) 12 0.92 4.75 0.00% 73.08 緑内障
K275 網膜復位術 - - - - - 網膜復位
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 当院では白内障に対する水晶体再建術を多く行っており、症例数は682件です。
 入院期間は基本的に片眼で3.00日、両眼で3.50日ほどであり病気の特性上、高齢の方が多くなっています。
 2番目、3番目の硝子体茎顕微鏡下離断手術は、主に糖尿病性網膜症や、黄斑円孔、網膜剥離などに対する手術です。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 等 79 1.06 6.20 0.00% 32.77 扁桃摘出手術
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 74 0.01 4.65 0.00% 36.11 扁桃周囲膿瘍
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 63 1.16 3.68 0.00% 51.44 慢性副鼻腔炎
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 24 1.21 3.50 4.17% 51.46 慢性副鼻腔炎
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 19 0.11 1.26 0.00% 69.05 リンパ摘出術
 最も多く行っている手術は口蓋扁桃摘出手術で症例数79件となっています。扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎に対して行う扁桃摘出手術です。
 2番目に多い術式は扁桃周囲膿瘍切開術です。扁桃周囲膿瘍は、扁桃周囲に膿瘍を形成した状態を指します。外来で局所麻酔下に切開を加え、排膿を行った後、入院加療を行っています。術前の日数が短いのは来院後すぐに処置を行い、そのまま入院となる事が多いためです。
 3番目に多い術式は内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型は、内視鏡を使用した慢性副鼻腔炎に対する手術です。手術を行う範囲によって1~4型まで分かれており、3型単独では63件となっています。3型の手術は中等度の副鼻腔炎に対するものであり、複数の副鼻腔を処理する必要があります。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 48 0.48 3.04 0.00% 74.96 悪性腫瘍手術
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - - 良性皮膚腫瘍手術
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
最も症例数の多い皮膚悪性腫瘍切除術の対象は、基底細胞癌や有棘細胞癌、悪性黒色腫などが挙げられます。局所麻酔下に切除縫縮することが多いですが、大型のものでは全身麻酔下に植皮術や皮弁形成術と併せて行うこともあります。皮膚悪性腫瘍は高齢の方に多いため、平均年齢は74.96歳と高い傾向にあります。
 患者さんが入院期間中に行った主となる手術のみを集計対象としていますが、非露出部、2センチ以上の大型の腫瘍摘出術や、悪性腫瘍手術と同時に行っている植皮術や皮弁形成術を合わせると件数はさらに多くなっています。
 皮膚、皮下腫瘍摘出術は良性腫瘍に対して行う手術であり、大きさや部位(露出部か否か)によってKコードが細分化されていますが、術式は同じものとなります。ほとんどは局所麻酔で対応が可能で、入院当日に手術を行い、1~2泊で退院、約1週間後に外来で抜糸となることが多いです。
 皮膚腫瘍摘出術の多くは外来で行っており、外来では年間200件近く実施しています。
 ほかにも、軟部悪性腫瘍、糖尿病性壊疽、壊死性筋膜炎に対する切開、デブリードマンも近年増加傾向にあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 55 0.98 3.31 0.00% 73.31 経尿道的膀胱腫瘍切除
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 41 1.00 2.54 0.00% 60.24 経尿道的砕石術(TUL)
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 39 0.00 0.10 0.00% 59.46 体外衝撃波砕石術
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 30 1.30 7.30 0.00% 69.80 前立腺全摘出術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 23 1.74 6.39 0.00% 58.87 尿管ステント留置術
 泌尿器科で最も多い手術は、膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術で、件数は55件です。膀胱がんに対して行われる手術で、膀胱にあるがんを尿道から挿入した内視鏡で切除します。
 2番目に多い手術は、経尿道的尿路結石除去術で、件数は41件です。合併症の有無や病態によって異なりますが、平均で4~5日で退院される患者さんが多くなっています。腎結石、尿管結石などに対する手術で、尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を破砕し体外へ摘出します。
 3番目に多い手術は、腎・尿管結石等に対する手術で、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術です。これは、体の外から衝撃波をあてて、体に傷をつけることなく結石を粉々に砕き、尿管から膀胱に排出させ体の外に出す手術です。
 4番目に多い手術は、前立腺がんに対する腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術です。当院では内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ 」手術を実施しており比較的短い日数で退院しております。
 5番目に多い手術は、経尿道的尿管ステント留置術です。腫瘍による圧迫など、何らかの理由で尿管が細くなり、腎臓に尿が溜まってしまう場合に、経尿道的にステントと呼ばれる管を入れて、尿が排出できるようにします。
 内視鏡を用いた手術から開腹による手術まで、それぞれに最適な方法を患者さんと一緒に考え、治療にあたっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 13 0.13%
180010 敗血症 同一 40 0.39%
異なる 26 0.25%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 45 0.44%
異なる - -
 【患者数が10 未満の数値の場合は、- (ハイフン) を記入しています】
 この指標は重症疾病である播種性血管内凝固(DIC)や敗血症等が、入院時から発生したものか、入院後に発生したものかを表したものです。
 がん疾患を合併症に持つ患者さんや入院時から非常に重篤な状態の患者さんが高い発生率となっています。多くの重症患者さんに対応している当院では、件数0件にすることは難しいですが、医療の質の向上に引き続き取り組みたいと考えています。
 手術や処置の合併症は、透析シャントの閉塞や人工関節の脱臼、手術後の感染症などが該当します。術後、年月の経過と共に挿入物の合併症などが起こるケースがあります。当院では入院中に起こる合併症の数は少なく、入院時より合併症で入院される患者さんが多くを占めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,785 1,679 94.06%
 肺血栓塞栓症は、大きな手術後、ベッド上安静を長くしている場合に発症しやすいとされています。当院は非常に高い割合で実施しており、積極的に対策に取り組んでおります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
3,518 3,105 88.26%
 当院では血液培養の2セット採取が定着しており、非常に高い実施率となっています。患者さんの感染症に対し適切な抗菌薬を用いた治療を行っております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
897 846 94.31%
 当院では細菌培養同定検査の実施が定着しており、適切な抗菌薬の処方に結びついています。
更新履歴
2024.09.26