骨転移とは
現代は2人に1人が、癌になるといわれています。
胃や肺などの内臓に生じた癌細胞が血中を移動し、骨に至り増大したものを骨転移といいます。おおもとの病変を原発巣、骨の病変を転移巣と言います。『知り合いが腰痛で近くの診療所で痛みどめをもらっても良くならず、大きな病院に行ったら脊椎転移と言われ2-3か月で亡くなってしまった。』などの話しを聞いた事があるかもしれません。骨転移は怖いものだと恐怖心でいっぱいになります。
骨転移の症状
中高年で発症する骨腫瘍の多くは骨転移です。すでに癌の診断がついている方の経過観察中に生じる場合と、原発が見つかる前に、骨転移が先に見つかる場合とがあります。
骨転移の症状は痛みが代表的です。緊急性の高い症状としては四肢病的骨折、脊髄麻痺、高カルシウム血症があります。
診断・治療
骨転移の診断と治療には病院の総合力が試されます。血液・尿など検体検査、頚胸腹部骨盤CT、PET-CT、MRI,アイソトープなどの各種画像診断を適切に行ない原発巣を検索したり、転移巣の広がりを同定します。症例により消化管内視鏡、気管支鏡、骨病変の生検術なども必要となります。転移巣の顕微鏡像から原発を推定する病理診断も重要です。
治療においては放射線照射、手術、抗腫瘍作用のある薬物療法、早急な痛みの緩和のためのべースの治療としては医療用麻薬が用いられます。
伝えたい事
医学の進歩により、骨転移は適切にマネージメントし、うまく共存を目指す時代となりました。がんを扱う病院では原発科、整形外科、放射線治療科、リハビリ科、精神科、緩和ケアチーム、看護師、薬剤師、管理栄養士、ケースワーカーなど様々な職種が連携して患者様を支えていきます。