緩和ケア
立川病院では、がん診療を受けている患者さんのつらさを和らげられるよう、緩和ケアチームが診療を行っております。緩和ケアはがん終末期の治療ではありません。がんと診断されたときから、身体のつらさのみならず、心のつらさなど、全人的なつらさに対応するためのケアです。
つらいことを誰にも相談できず悩んでいる方、当院緩和ケアチームがお手伝いできることがあるかもしれません。担当の医師に一言、緩和ケアの話をきいてみたいと言ってみてください。
がんになると、どんなことが起きるのでしょうか?
がんと診断された時点で様々な苦痛が生じます。治療経過中に70%以上の方が身体的痛み、倦怠感などを感じ、さらに精神的に強い苦痛を生じます。それは落ち込み、悲しみなどの気持ちの苦痛です。迫り来る「死」への恐怖といった、精神的苦痛に加え、自分の「人生」に対する問い「自分が生きてきた理由」 といった、いわゆるスピリチュアルな苦痛も生じてきます。またがん治療が経済的にも大きな負担となることもあります。
緩和ケアとは、がん患者さんの苦痛を取りのぞき、患者さんとご家族にとって、自分らしい生活を送れるようにするための医療です。緩和ケアは、がんの治療中から、どの施設でも受けられます。
緩和ケアのタイミング
がんと診断された時
がん治療が始まりますが、痛み等の症状による体力の消耗を防ぐことで、がん治療に取り組む力がわいてきます
がん治療中
症状を緩和し、がん治療を受けやすくします。再発時など精神的な苦痛が強い時はその痛みに対処します
がんが進行してきた時
がん治療が困難となった場合でも自分らしい生活ができるように様々なサポートをします
緩和ケアはがんの治療と同時に始めます
「緩和ケア」という言葉に、どのようなイメージを持っていますか?
「がん治療ができなくなった方への医療」「がんの終末期に受けるもの」と思っている方も、まだまだ多いようです。
「緩和ケア」は、がん治療の初期段階から、がん治療と一緒に受ける医療です。苦痛を伴う症状を緩和すれば、がんの治療に取り込む力がわいてきます。
緩和ケアチーム
緩和ケアはチームで行っております。メンバーは身体症状担当医師、精神症状担当医師、緩和ケア認定看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカー、栄養士、作業療法士です。
それぞれ得意分野がありますので、それを生かして、つらい症状、困っている事の緩和を目指します。身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛といった全人的苦痛の緩和が目標です。