手術治療
がんの手術治療の目的
手術治療の目的はがんを取り除くことです。目で見える部位を切除するだけではなく、がん細胞が転移している可能性のある部位を切除する必要があります。そのため、十分にがんの病巣から離れた部位まで切除したり、周囲のリンパ節を切除したりします。
切除後に必要に応じで臓器の機能を維持できるよう、臓器同士をつなぎ合わせる再建手術を同時に行います。
根治手術と緩和手術
治癒を目的とした根治手術と、がんの病巣は取りきれない場合でも症状の緩和や臓器機能の改善を目的とした緩和手術があります。例えば、がんにより腸の通過障害がおきている時の腸のバイパスを作成する手術などがあります。
低侵襲手術、縮小手術
体の負担を軽減すために胸やお腹を大きく切開することなく、小切開で内視鏡を使ってがんを切除することができるようになりました。この方法により、手術後の痛みが軽減し、早期に生活や仕事に復帰できるようになります。
また、術後の整容や機能を温存するために、可能な範囲で切除部位を縮小する手術も実施しています。たとえば乳がんの乳房温存手術などがあります。
手術治療のリスク
合併症として、心筋梗塞や肺炎、血栓症などが発症することがあります。また傷の感染や、再建した臓器の機能回復の遅れ、機能障害が出現する場合があります。
手術前の準備として
手術後の肺炎などの予防のために禁煙は必須です。また、感染予防のために口腔ケア、虫歯の治療は非常に重要です。
手術後の一般的な経過
術後出血の確認や再建臓器の状況の確認のために創部にドレンいう管が留置されることがあります。経過が良好であれば、順次取りはずしてゆきます。また、はやい体力回復のために術後のリハビリは重要です。