立川病院

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悪性胸膜中皮腫

概要

悪性胸膜中皮腫は肺を覆う膜(胸膜)から発生する悪性腫瘍で、原因の多くはアスベストの吸入と報告されており、現在、患者数は増加傾向となっています。治療方法は、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法、緩和治療がありますが、進行度によりこれらの治療を単独または組み合わせて治療を行います。

診断

悪性胸膜中皮腫の多くが、アスベストの吸入と関連すると考えられており、職業歴が非常に大切です。症状としては「呼吸が苦しい」、「胸が痛い」、「咳が出る」などがありますが、自覚症状がなく、レントゲンで偶然指摘されることもあります。
確定診断を行うのが難しいこともありますが、一般的には胸膜生検で診断します。超音波やCTを用いて、生検用の針を体の外から刺して組織を採取する方法や全身麻酔を用いて、胸腔鏡手術で組織を採取する方法があります。

治療

治療は病気の進行度に応じて異なりますが、外科療法、化学療法、放射線療法を単独または組み合わせて行います。病巣が片側の胸腔内にとどまっており、全身状態に問題がなければ手術を考慮することがあります。ただし、手術は片側の肺、胸膜、場合によっては横隔膜や心膜を含めて摘出する非常に大きな手術となります。
手術が困難な場合で全身状態が良好な場合は抗がん剤治療や放射線治療等を行います。