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がんその他

抗がん薬と日常

薬剤科 薬剤師 川上英泰

抗がん薬と日常

現在の抗がん薬治療は多くの場合外来で投与できるようになってきており、治療を行いながら日常生活を過ごせるようになってきています。今回は、抗がん薬を投与し副作用(抗がん薬の場合「有害事象」という)に対する日常生活の注意点について一部お話したいと思います。

吐き気について

抗がん薬投与後悪心、吐き気の期間ですが一般的に5日程度と言われています。予防的な吐き気止めを使用することで7~8割は症状がなく過ごせるようになってきています。吐き気止めは予防として使用するため症状がないからと言って自己判断で服用中止しないことが大切です。もし、吐き気の症状が認めてしまった場合、我慢せず医療者へ相談することが大切です。

骨髄抑制について

骨髄抑制という有害事象が現れることがあります。主なものとして貧血、免疫機能の低下、出血しやすくなることが挙げられます。

免疫機能の低下(好中球減少)があると感染症に対しての抵抗力がなくなり重い感染症にかかる場合があります。抗がん薬によりますが概ね1014日でもっとも低下する時期になります。基本的には感染症の予防が大切で、外出するときはマスクを使用し、手洗い、うがいをこまめに行う。熱や感染症の症状が出た場合市販の薬は使用せず担当の病院へ相談するようにすることも大切です。

口腔ケアについて

抗がん薬を受ける前に歯医者へ行っておくなど歯の状態をチェックしておきましょう。虫歯や歯槽膿漏など口の中にトラブルがあると、抗がん薬の有害事象により感染源となり食事摂取に影響し、治療が継続できなくなることがあります。また治療開始後もうがいやブラッシングなど口腔ケアが大切となります。

排便について

抗がん薬を投与することで下痢や便秘になることがあります。

下痢が悪化すると脱水症状を起こすことがあるため注意が必要です。普段とくらべて1日4回以上、数日間続く場合は担当の病院へ相談が必要です。注意点として食物繊維、脂肪分の多い食べ物、牛乳などの製品、香辛料、炭酸飲料など刺激物は避けるようにしましょう。軽い症状であれば電解質を含むようなスポーツ飲料をとるようにしましょう。また下痢止めについては担当の病院の指示にしたがって服用しましょう。

便秘がひどくなった場合はお腹の動きを止めてしまう(腸閉塞)を起こすことがあるため注意が必要です。食物繊維の多い食事をとりましょう。軽い運動もよいでしょう。下剤が必要となることも多くあります。下剤も種類があり、ひとそれぞれ合うものがあります。便の硬さはどうなのか、残便感はないか、症状に合わせて選択し効果をみながらお薬を選んでいきます。



参考:中外製薬提供 がん薬物療法を受けられる方へ