急性感音難聴
急性感音難聴は、多くの場合片側性であり、原因疾患としては突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、メニエール病、外リンパ瘻、音響外傷、ムンプス難聴などが挙げられます。急性感音難聴に対して早期介入が推奨されており、特に突発性難聴においては発症後7日以内の治療介入が聴力予後を改善することが報告されています。
診断に際しては、まず純音聴力検査を施行し、必要に応じてティンパノメトリーや耳音響放射(OAE)など追加検査を行います。(ただし、休日・時間外の救急対応時は限られた体制の中での対応となるため、聴力検査が困難な場合があります。その際には臨床所見をもとに初期対応を行います。)
難聴に加えてめまい症状を伴うこともあり、その他の神経学的な所見や経過に応じて画像検査などを追加し診断を行います。
突発性難聴の治療には、ステロイドの漸減投与を行っています。
当院では、発症からの時間経過、年齢、基礎疾患の有無、全身状態などを考慮し治療選択を行っております。
ステロイド投与にあたっては糖尿病既往のある患者では、血糖コントロールの観点から、入院下での管理を行う場合があり、7泊8日の入院スケジュールで血糖モニタリングを行いながら治療を進めます。また、HBV既感染症でHBV再活性化のリスクがある場合には、HBV-DNAモニタリングを行い、適宜消化器内科と相談しております。