COPD(慢性閉塞性肺疾患)
喫煙者の15%程度に生じると言われています。肺気腫と慢性気管支炎型に分かれますが、日本人の場合はほとんどが気種型です。
未診断の方が多く存在しているため、かかりつけ医での診療に加え、健康診断や人間ドッグ等を通して早期診断に繋げていくことが重要です。
治療の基本は言うまでもなく禁煙であり、次に感染予防策としてワクチン接種が勧められています。
薬物療法としては、呼吸困難の程度や増悪回数に応じて、長時間作用型抗コリン薬、長時間作用型β刺激薬を単独もしくは組み合わせて使用します。
喘息を合併した状態(ACO)や重症COPDの場合には、吸入ステロイドを追加します。
呼吸不全を来した方に対しては、薬物療法に加えて在宅酸素療法や在宅人工呼吸器を併用します。
経過中、COPD急性増悪により呼吸状態が急速に悪化することがあります。
増悪を繰り返すことにより予後を悪化させるため、増悪を予防するための感染対策や薬物療法が非常に重要です。
また、COPDは様々な全身合併症(骨粗鬆症、サルコペニア、フレイル、心血管疾患、不安・抑うつ等)や肺合併症(肺がん、肺線維症、気管支喘息等)が併存するため、様々な角度から診療を行っています。