立川病院

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腰椎椎間板ヘルニアについて

整形外科医長 西山 雄一郎

腰椎椎間板ヘルニアについて

今回のお話は腰椎椎間板ヘルニアについてです。
椎間板というのは背骨と背骨の間にある繊維輪、髄核、軟骨終板から構成される円盤状の線維軟骨組織で、脊柱の支持・運動・衝撃緩衝の機能を有しています。内部に血管がなく、そのため血行がないため、一度痛んでしまうと再生されない組織と言われています。椎間板の老化はなんと驚くことに10歳代から始まってしまうとも言われており、老化により椎間板の変性(性質が変わること)が起きると、椎間板の中心にある髄核が飛び出してしまうことがあり、これを椎間板ヘルニアと言います。飛び出した髄核が神経根や脊髄を圧迫すると足の痛みやしびれの原因となり、圧迫が高度になると足の筋力低下(神経麻痺と言います)や頻尿や残尿感、尿・便失禁(膀胱直腸障害と言います)が出てくる場合もあります。前屈制限(前かがみが辛い)が出るのも特徴の一つです。
また椎間板の変性が高度になると椎間板に亀裂が入り、そこにガスがたまり、椎間板が潰れてきたり(腰椎椎間板症と言います)、ズレ(腰椎すべり症と言います)が出てきて腰痛の原因となることもあります。
椎間板ヘルニアは通常働き盛りの20-30歳代の男性に起こりやすいと言われておりますが、実際は高齢者のヘルニアの方も存在し、どの年齢の方にも起きる可能性はあります。

診断と治療

確定診断はMRIとなりますが、レントゲンで椎間板の高さが減少している場合や診察所見により疑いが高まる場合もあります。
治療は原則的には、薬物療法、理学療法、神経ブロック療法などの保存療法が中心となりますが、3か月間の保存療法を行っても改善しない場合や神経麻痺や膀胱直腸障害が出現している場合、または仕事の都合上や痛みが強く3か月間も待機できない場合には手術を推奨します。
手術は一般的にはLOVE法といって一部骨を削った後に脊髄をよけてヘルニアを切除する手術を行います。手術後は1-2日後には歩行練習、リハビリが始まり、入院期間は1-2週間程度です。
最近特殊な酵素を椎間板内に注入する新たな治療法も出てきており、また次回以降で詳しくお話したいと思っています。
足の痛みやしびれでお悩みの方は、ぜひ一度来院していただき、調べてみることをお勧めします。
以上腰椎椎間板ヘルニアについてのお話でした。