立川病院

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お腹

直腸脱

消化器外科 似鳥 修弘

直腸脱

直腸脱とは、直腸が肛門から外へ脱出する状態を指します。これは排便障害や便秘、繰り返しの腹圧増加などが原因で発生することがあります。
直腸脱は生活の質に大きな影響を与えるため、適切な治療が必要です。本稿では、直腸脱の治療方法について詳述します。
直腸脱

治療方法の選択肢

直腸脱の治療には、保存的治療と外科的治療があります。脱出の程度や患者の年齢、健康状態によって適切な治療方法が選ばれます。

保存的治療

軽度の直腸脱の場合、保存的治療が選択されることがあります。これには以下のような方法が含まれます。

・食事療法: 高繊維食を摂取し、便秘を予防します。十分な水分摂取も重要です。
・排便習慣の改善: 定期的な排便習慣を身につけ、長時間の排便を避けます。深呼吸してリラックスし、強く息みすぎないようにしましょう。
・骨盤底筋訓練: 骨盤底筋を強化する訓練を行うことも重要です。
・薬物療法: 便秘を改善するための薬物療法が使用されることがあります。

外科的治療

保存的治療が効果を示さない場合や重度の直腸脱の場合、外科的治療が必要となります。外科的治療には以下の方法があります。

・腹腔鏡下直腸固定術: 腹腔鏡を使用して、直腸を元の位置に戻し固定する手術です。侵襲が少なく、回復が早い利点があります。場合により過長な大腸を切除することもあります。全身麻酔が必要です。
・経肛門手術: 肛門部からアプローチする手術です。高齢の患者や全身状態が悪い患者に適しています。下半身だけの腰椎麻酔や、局所麻酔で行う方法があります。
腹腔鏡下直腸固定術の傷跡

直腸脱に対する代表的術式とその特徴


直腸脱の総説―術式の歴史的背景とその選択方法, 日本大腸肛門病会誌 65: 827-

術後のケア

外科的治療後は、適切な術後ケアが重要です。これには以下のような方法が含まれます。

・食事療法: 術後は高繊維食を摂取し、便秘を予防します。
・排便習慣の改善: 定期的な排便習慣を身につけ、長時間の排便を避けます。
・骨盤底筋訓練: 骨盤底筋を強化する訓練を継続します。
・定期的な診察: 再発を防ぐために、定期的に医師の診察を受けます。