総胆管結石
総胆管結石は、肝臓で作られた胆汁が十二指腸へ流れる「総胆管」という通り道に、石(結石)が詰まってしまう病気です。自覚症状としては、みぞおちや右上腹部の痛み、発熱、吐き気、さらには皮膚や白目が黄色くなる「黄疸」が見られることもあります。
これらの症状は一時的におさまることもありますが、決して油断してはいけません。放置することで、命に関わる「急性胆管炎」や「膵炎」などの合併症を引き起こすことがあります。
特に、高齢の方や過去に胆石症を指摘されたことのある方、胆嚢摘出手術を受けた方などは、注意が必要です。
地域でよく見かける症例の一つでもあり、日々の診療の中でも多くの方が相談にいらっしゃいます。「歳のせいか胃の調子が悪い」「食べるとなんとなく気持ち悪い」といった、見過ごしがちな症状の裏に、実は総胆管結石が潜んでいることもあるのです。
治療には、内視鏡(ERCP)を使った方法が一般的で、体への負担も比較的少なく済むようになっています。
以前であれば手術が必要だったような病気でも、今は内視鏡で石を取り除くことが可能になり、多くの方が短期間の入院で元の生活に戻られています。
私たち消化器内科医は、こうした病気を早期に発見し、できるだけ苦痛の少ない方法で治療できるよう日々努力しています。
体の異変に「なんとなくおかしいな」と感じたら、それは体からの大切なサインかもしれません。気になる症状があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。