立川病院

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あし

足のしびれについて

整形外科医長 小久保 哲郎

足のしびれについて

今回は足のしびれについてのお話です。整形外科が扱う足のしびれの原因疾患の中で特に中高年層で多いのは腰部脊柱管狭窄症です。
腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管という脊髄神経が通っているトンネルが腰の部分で狭くなってしまう病気です。原因としては主に加齢性変化による椎間板の膨隆(ヘルニア)や、黄色靭帯という脊髄神経の後ろ側に張り付いている靭帯の肥厚により生じます。加齢性変化が原因であるため、好発年齢は50歳以上と言われています。

症状について

初期症状としては足先のしびれですが、進行してくるとしびれの範囲が下肢全体に拡がり坐骨神経痛の原因となります。更に進行すると歩行障害や足の筋力低下、膀胱直腸障害(排尿間隔の短縮、排尿遅延や残尿感など)が出ることもあります。歩行障害の典型としては、間欠跛行といって長距離の連続歩行が困難となり、ひどい場合には数分おきに休まないと歩けなくなります。休む姿勢として前かがみで休むと楽になるというのも特徴です。
「買い物でカートを押している時は楽」と感じている方や「歩くのがつらいから自転車ばかり乗っている」といった方は腰部脊柱管狭窄症かも知れません!

診断について

診断は症状と診察所見からある程度疑いを持つことができますが、確定診断はMRIになります。体内にペースメーカーや金属が入っていたり、閉所恐怖症などでMRIが撮影できない場合には、2-3日間の入院が必要になりますが、脊髄造影を行います。

治療について

治療法としてまずはしびれや痛みを緩和する内服薬や神経の血流を良くする内服薬などの保存治療が基本となりますが、痛みが増強してくる場合にはブロック療法を併用します。ブロック療法でも改善が見られない場合や歩行障害が強く間欠跛行が10分以下である場合や筋力低下や膀胱直腸障害が高度である場合には手術をお勧めしています。保存治療を行う期間の目安としては大体3か月間程度です。
足のしびれでお悩みの方は、ぜひ一度来院していただき、調べてみることをお勧めします。
以上足のしびれについてのお話でした。