変形性足関節症とは
足首にはいろいろな骨や関節(骨と骨が連結する部分)がありますが、主な部位は医学用語で足関節(ankle joint)といいます。足関節は、滑らかな運動のために、表面が軟骨と呼ばれるやわらかい骨でおおわれています。
その軟骨がすり減っている状態を変形性足関節症といい、足首の痛みによって歩行が困難になるもっとも代表的な足の病気です。
足首の捻挫を繰り返したり、骨折をしてしまったりしたことが原因となって生じる場合がありますが、明らかな原因がなく発症することもあります。
長い年月をかけ徐々に関節表面の軟骨がすり減って、あるとき急に痛みがでることがあります。
変形性足関節症の治療
変形性足関節症の治療は、痛み止めの内服、杖の使用、減量、筋肉のストレッチ、足底挿板や足首のサポーターなどの装具療法などの保存療法をまず行います。保存療法を十分行っても痛みが緩和せず、生活や仕事への支障が大きい場合や我慢できなくはないがより活動的な人生を送りたい場合は手術治療が考慮されます。
手術治療では、関節軟骨の損傷の程度が軽い場合には関節の傾きを調整して骨同士の接触の偏りを矯正する低位脛骨骨切り術を、関節の破壊が著しい場合には人工足関節置換術もしくは関節固定術を行っております。
年齢、体重、変形の重症度やタイプ、患者さんの他のお病気や生活などを考慮して、もっとも効果が高く、かつ合併症の少ない手術法を選択しています。
足関節固定術が一般的な治療法ですが、近年は人工足関節置換術も積極的に行われるようになっています。
当院で主に行っている方法は、腓骨(外側の細い骨)を切って、足関節に人工の金属パーツを挿入する外側進入型人工足関節置換術です。
通常は、手術後2週程度から装具を使用して歩く訓練が可能で、関節の動きを残せる利点があります。
また、術後創癒合不全、感染、長期経過後のゆるみなどの手術のリスクや限界もありますので、よく相談し自分に適した方針を決めていきましょう。