疾患の説明
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)は、おむつと接する部位に生じる湿疹です。広義には湿疹に類似したカンジダ感染症という真菌(カビ)の感染などを含みます。
原因
おむつで覆われて高温多湿であること、排泄物や洗浄剤に対するかぶれ、しっかりこすり洗いしすぎることによる摩擦刺激などが原因になります。症状
紅斑(赤い斑点)、丘疹、鱗屑(皮膚の剥けた状態)、びらんなどを生じます。カンジダ感染があると、病変が鼠径(足の付け根の皺の奥)までに及び、紅斑の上、特に縁に薄く浸軟した鱗屑が見られます。
紅斑の縁やすぐ外側に膿疱(吹き出物のような膿)が散在する“衛星病変”はカンジダ感染に特徴的です。
治療
治療の基本は発症予防であり、増悪時もその予防を継続します。1.予防
1日1回泡石鹸で優しく洗浄します。洗う時以外におむつを交換する際は、温かい水で湿らせたコットン等を用いて、汚染物を摘むように除去します。
皮膚が湿っている時は、乾いたタオル等で押し拭きします。
おむつを交換する際は、軟膏を完全に除去する必要はありません。むしろ、毎回しっかり軟膏をこすり取る、または石鹸洗浄しようとすると、摩擦の刺激などで皮膚に傷がついて、かぶれやすくなります。
綺麗にした後は、最後に油性軟膏(ワセリンなど)を塗ります。
2.治療
湿疹の程度に応じてステロイド軟膏を加えます。真菌感染が主体と思われる場合、抗真菌薬外用を用います。
治療開始後1−2週間程度で改善傾向とならない場合、細菌感染、湿疹が続きやすい特殊な体質の存在(腸性肢端皮膚炎など)、湿疹に似た他の病気(鼠径部の乾癬)などの可能性があるか検討します。
日常生活での注意点
・お尻拭きや石鹸は弱酸性の製品を用いましょう。排泄物はアルカリ性ですが、正常な皮膚は弱酸性だからです。・おむつのギャザーなど、肌に触れる部分に湿疹が目立つ場合、おむつがあわない可能性があります。おむつの大きさや種類の変更を検討してください。
・排泄物の接触するところに湿疹が目立つ場合、排便・排尿の量や回数が多いのであればこまめにおむつ交換をしてください。
参考文献
常深 祐, 他. 高齢者のいわゆる「おむつ皮膚炎」に対する治療アルゴリズムの提案. 看護研究 48: 180-188, 2015.
Schachner L, et al: The Importance of Skincare for Neonates and Infants: An Algorithm. J Drugs Dermatol 20: 1195-205, 2021.
小柳 礼. 【赤ちゃんに最善のケアを提供できる!低出生体重児の皮膚ケア ダウンロードできる保護材、保湿剤の一覧つき】陰部、肛門周囲皮膚炎の予防と対応. with NEO 37: 684-688, 2024.
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