疾患の説明
アトピー性皮膚炎は特徴的な場所に湿疹を繰り返す、子どもで最も良くある病気の一つです。赤ちゃんと幼児に特に多くみられます。日本で行われた調査では、3歳までにアトピー性皮膚炎と診断されたことのある人は、30%以上と言われています。
ただ赤ちゃんの時に診断された人は、4歳までに4人中3人は症状がなくなったとも言われています。
赤ちゃんの頃からしっかり治療することで、無治療ないし週2回予防のためにステロイド外用する程度でも、症状がない状態をキープできるようになることも多いです。
症状
赤ちゃんでは、湿疹は頭や頬から始まり、脇や肘の内側などの擦れる場所、さらに全身へと広がっていきます。小学生くらいまでのお子さんでは、肘・膝の内側などに紅みやぶつぶつした湿疹、皮膚のむけた状態、掻き傷が入り混じります。
同じ場所に湿疹が居続けると、硬い湿疹(痒疹結節や苔癬化など)に変わっていきます。
思春期以降では、顔から上半身全体が赤くなる、硬い湿疹がメインになるなど、人によって様々なタイプに分かれていきます。
このように、症状の続いている期間や年齢によって、湿疹の場所や見た目が変わってくるのが小児のアトピー性皮膚炎の特徴です。
原因
アトピー性皮膚炎は様々な原因が背景にあります。皮膚のバリア能力、免疫の敏感さ/最近や真菌への抵抗力、ほこりやペットなどの住環境、遺伝的な素質などが複雑に絡み合っています。
検査
典型例は視診で診断可能です。血液検査(血清総IgE値や特異的IgE、TARC、SCCA2など)の結果は、診断というよりも、治療の進み具合やアレルギーのある対象(ダニ、猫、犬、食べ物など)を考える上で参考にすることがあります。
2025年4月時点ではアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024が公開されている。
似た見た目になる疾患
疥癬尋常性乾癬
アトピー性皮膚炎以外の湿疹(脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎など)
遺伝的な病気(ネザートン症候群など)
治療
子どものアトピー性皮膚炎では(大人もそうですが)、治療の最終目標はほとんど痒みや湿疹がなく、日常生活に差し障りがなく、治療があまり要らないところに辿り着くことです。日本では治療の手順が公開されており(アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024注:2025年12月時点)、それに則った治療を行うことが大切です。
特に子どもでは「速やかに湿疹をなくし、癖にならないようにすること」が大切ですので、効果の出るのが早いステロイド外用薬を中心に治療開始することがほとんどです。
その後、一度良くなった病変部に1日おき、週2回など、定期的に同じ外用薬を塗布し、ぶり返しを予防する「プロアクティブ療法」を行うことが多いです。
日常生活での注意点
スキンケア刺激の少ない洗浄剤を選び、よく泡立てて優しく洗浄し、洗浄剤が残らないよう十分にすすぐのがおすすめです。調子のいい時もいまいちの時も、保湿を続けるのも大切です。
住環境の整備
アレルギーだと確認された場合、ダニ対策として寝具の調整、ダンボールなどの埃が溜まりやすいものの整理などをするのも有効です。
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