運動療法のすすめ
突然ですが、皆さんは日常生活の中でどのくらい運動をしていますか。一般的に、高血圧や糖尿病、体重増加が気になる方には積極的に運動療法が勧められます。運動習慣のある人の方が脳卒中や認知症などの発病率が減ることも明らかになっており、病気の予防、健康的な生活を維持するため無理なく運動療法を行う意義は高いと言えます。趣味を兼ねてジョギングやマラソン、サイクリングを楽しむ人も増えていてとても良いことだと思います。平日は仕事や家事などで時間に制約がある方も週末の時間を利用して歩く機会を作り、レジャーとして軽いハイキング、旅行に出かけてはいかがでしょう。
受診している高齢患者さんからよく受ける質問に「どのくらい歩いたらいいですか。」「どんな運動をしたら体に良いですか」というものがあります。個々の活動量、運動能力は様々であり、心疾患など持病がある高齢者に過度に負荷のかかる運動はお勧めできませんので、患者さんの生活背景や合併症の有無に配慮して助言する必要があります。
体力に自信があり、日頃運動不足を感じている方は、スポーツジムを利用したり、趣味としてゴルフやテニスを楽しむのもお薦めです。手軽なウォーキングでは、まずは1回15分程度から始め、時間を増やしていくと良いでしょう。その際は軽く息が上がる程度を心がけ、無理をしないことが大切です。何事も継続は力なりと昔から言うように、最初から無理をせず、少ない量でも長く続けられる運動療法、リハビリメニューが理想です。手を大きく振る、歩幅を大きくするなどを意識するとエネルギー消費が上がり、ダイエット効果が高まります。高齢の患者さんでは室内で座っていてもできるもので5分足踏み、テレビで朝やっているラジオ体操など習慣化して行うこともおすすめです。軽いストレッチや体操をしたり、立ち上がり訓練や片足立ちでバランスをとるなどを行うことも転倒予防と歩行安定に役立ちますのでまずは簡単に、楽な運動から始めてみませんか。