健康診断の前日はどう過ごすべき?
健康診断は年に1回、多くても数回しか受診しないものなので検査前に緊張してしまう方もいらっしゃるかと思います。また、初めて受診する方は健康診断の前日をどのように過ごしたら良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
健康診断では安全に検査を行い正しい検査結果を測定するため、前日から食事制限が出されることがあります。個人差はありますが、食事は摂取後に胃で消化されるまで数時間、小腸で吸収されるまでに半日程度かかるとされているため、前日夜からの食事制限が一般的です。検査前に食事をしてしまうと正確な血液検査の結果が得られない場合もあります。また、食べ物が残っていると上部消化管の検査で食道・胃・十二指腸の正しい評価ができないだけでなく検査中に誤嚥の危険性も生じます。腹部超音波では臓器の評価が難しくなることもあります。
具体的な食事制限は健康診断の開始時間や検査内容によっても違ってくるため、詳しくは受診先からの指示に従ってください。もしも食事制限の時間中に誤って食事をしてしまった場合は、受診先にその旨を申告して指示を受けてください。
立川病院健診センターで人間ドックを受診される方には、受診前日は午後8時までに食事を済ませることに加えて禁酒もお願いしています。アルコールを摂取すると吸収から分解まで肝臓だけでなく様々な臓器に負担がかかり、肝機能や中性脂肪、血糖、尿酸等の検査結果に影響してしまう可能性があるからです。尚、アルコールを除く水分は前日に制限がないことが一般的ですが、食事制限の開始時間に合わせて脂質・糖分の多い飲み物は避けた方が良いでしょう。
次に運動についてですが、健康診断前日に激しい運動は控えましょう。少しでも良い検査結果を得ようと張り切って運動してしまうと、血液検査や尿検査等に影響が出てしまう可能性があります。普段からランニングや筋力トレーニング等をしている方でも、前日は身体を休め健康診断後に運動を再開するほうが無難です。
また、健康診断前日はしっかりと睡眠をとるようにしましょう。睡眠不足で検査に望むと血圧や血液検査、尿検査等に影響することがあります。ただし、あまりにも普段より早い時間に眠ろうとすると、緊張でなかなか寝付けずに逆に身体のストレスとなってしまうこともあるため、個人の体内時間に合わせた時間で無理のないような睡眠を心掛けましょう。
健康診断は定期的に自分の身体と向き合う良い機会です。前日の過ごし方はもちろん重要ですが、結果が出た後の過ごし方もとても重要です。「健康診断を受けたけれど結果はしっかり確認しなかった」という方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。せっかく受けた健康診断を受けっぱなしにするのではなく、結果をしっかり確認して普段の生活習慣を見直したり、必要な場合は医療機関を受診したりと、結果を有効活用することで健康診断を受けた意味が出てくるのではないかと考えます。
当院健診センターでは皆様にとって有益な健康診断になるよう丁寧な問診や診察に努め、安全で精度の高い検査を用意してお待ちしております。