概要
帯状疱疹は、かつて水痘(“水ぼうそう”)を引き起こした水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella-zoster virus)が、体内の神経節に潜伏していたところ、免疫力の低下などをきっかけに再活性化し、神経に沿って皮膚に発疹・水ぶくれ・痛みを引き起こす疾患です。日本では 「6~7人に1人」 が発症すると推定され、70歳代で発症する方が最も多く、今後高齢化とともに増加が予想されています。
原因
ウイルスが体内の神経節に潜伏、加齢・過労・ストレス・感染・免疫抑制・放射線・紫外線などが再活性化の契機となると考えられています。過去に水ぼうそうにかかったことのある人なら誰でも発症リスクがあります。再活性化したウイルスが神経を伝って皮膚へ進み、水ぶくれを形成し発疹を起こします。
症状
典型的には、片側の神経支配領域に沿って「赤い発疹・小さな水ぶくれ」が帯状に出現します。「チクチク・ピリピリ・焼けるような」神経痛や知覚異常が発疹の出現前に現れることがあります。水ぶくれは2~3日で増え、4~5日後に破れ、1~2週間でかさぶたに、3週間前後で治癒に向かうことが多いです。
顔面に起きた場合、顔面神経麻痺を起こしたり、眼の周囲・眼球・耳などに波及して視力障害・耳の障害を残すこともあります。
発疹部の痛みが強く長丁場になると、発疹が治っても「帯状疱疹後神経痛」という後遺症を残すことがあります。
診断・検査
典型的な発疹や疼痛などの自覚症状があれば、診察のみで診断可能なことが多いです。発疹の種類や部位・持続期間・痛みの強さ・前駆症状などから総合して診断します。水痘・帯状疱疹ウイルスの血液検査/ウイルス抗体・ウイルス核酸検査が行われる場合もあります(ただしすべての方に必須なわけではありません)。
合併症(眼・耳・脳・運動麻痺など)が疑われる場合には眼科・耳鼻科・神経内科等と連携して治療にあたります。
治療
発症後できるだけ早期(発疹出現〜72時間以内が理想)に抗ウイルス薬を開始することで、重症化・後遺症(特に帯状疱疹後神経痛)を軽減できます。重症な場合には入院下での点滴加療が必要な場合もあります。
皮疹部は皮膚の清潔を保ち、衣服等による刺激を避け、優しく扱います。外用薬を併用することもあります。
痛みに対しては鎮痛剤を用います。痛みのある部位は冷やすよりも温めた方が痛みが軽減することが多いです。
症状の程度によっては神経ブロックなどが行えるペインクリニック(院外)へのご紹介も検討します。
予後・注意点
多くは発疹の治癒後、通常の生活に戻れますが、早期治療を受けなかった場合や高齢・免疫抑制状態では、後遺症(神経痛・運動麻痺・視力障害等)が残ることがあります。患者さんへのメッセージ
発疹とともに「片側のチクチク・ピリピリした痛み」を感じた場合は、帯状疱疹を疑って早めに皮膚科を受診してください。発疹前の痛みがあれば「前兆」として重要です。早期に適切な治療を受けることで、痛みの軽減・後遺症の予防につながります。気になる症状があれば、自己判断せず皮膚科専門医にご相談ください。
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