立川病院

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がん

がん治療中に気をつけたい肺炎

呼吸器内科 黄 英文

がん治療中に気をつけたい肺炎

肺炎とは、肺胞(はいほう)や間質(かんしつ)という場所に炎症が引き起こされる病気の総称です。『がん治療中に気をつけたい肺炎』として、呼吸器感染症、薬剤性肺炎、放射線肺臓炎が挙げられます。

まず呼吸器感染症です。治療の時期によりますが、感染症は常に注意する必要があります。原因として細菌やウイルスが中心ですが、時に真菌(しんきん)や抗酸菌(こうさんきん)が関与することがあります。特に抗がん剤使用中に白血球が減少し、敗血症や肺炎を来たす発熱性好中球減少症には最も気をつけなければなりません。

次は薬剤性肺炎です。がんの治療では様々な薬剤が用いられており、抗がん剤、内服薬として用いられることが多い分子標的薬、近年様々な領域で使われるようになった免疫チェックポイント阻害薬等が代表的な薬剤です。薬の種類によって、薬剤性肺炎の頻度や発症しやすい時期、症状等が異なりますので、新たに薬剤を使用する方は主治医へ確認してみて下さい。

放射線肺臓炎は、肺がんや乳がん等、胸部に放射線治療を行った後、照射した部位周辺に炎症が起きます。治療終了後、しばらくした後に発生することが多いので、治療後の呼吸器症状に気をつけて下さい。その他肺炎とは異なりますが、リンパ管に沿ってがんが進展した結果、レントゲンで肺炎のように見える癌性リンパ菅症も要注意です。

いずれも胸部レントゲン検査が最初のスクリーニングに役立ちます。レントゲンだけでは検出できない場合があるので、必要に応じてCT検査を行います。さらに抗原検査やPCR検査、血液検査、喀痰検査、肺機能検査を行ったり、過去のレントゲンとの比較を行ったりします。薬剤性肺炎や放射線肺臓炎が疑われる場合には、気管支鏡という内視鏡検査を行うことがあります。

発熱や倦怠感、せき、たん、血痰、動いた時の息切れなどの症状に気をつけて下さい。急な経過だけでなく、週単位、月単位で症状が続く場合にも注意が必要です。基本的なことになりますが、禁煙やワクチン接種、地域毎の感染流行についての情報収集も大切です。また定期的な健診でのレントゲン検査もいざという時に比較できるレントゲンが存在して役立つことが多いです。気になる症状がある場合には、主治医や呼吸器専門医へ一度ご相談下さい。